Joao Gilberto

今回も輸入盤をもっているけれど再発に手を出したパターン。『Caetano Veloso』と同じく、リリースされて店頭に並んでいるのはチェック済みだった。だけど「初回限定仕様(ジャケットのエンボス加工)」とは書いてあっても、「初回限定盤」ではなかったので、よほど欲しくなったら買えばいいと思っていた。ところが『Caetano Veloso』を手に取り、ついでにそばにあった『Live at the 19th Montreux Jazz Festival』も手に取ってみると、何故か二枚組になっている。オレの持っているのは一枚もの。帯を読むと「発売以来初めてオリジナル・ジャケット、オリジナル・フォーマット」と書いてある。そこで初めてオレの持っているCDは不完全版だと知り、そのままレジに向かう事になった。

『Live at the Montreux』は、Joaoのキャリアで初の全編ソロによるパフォーマンが収められた盤。そしてタイトルからもわかるように、ライブ盤であるという事から『In Tokyo』との比較をしてしまうのは避けられない。歌声そのものという意味では、この『Live at the Montreux』に分があると思う。滑らかで温かみのある歌声は、この時点がJoaoのキャリアの一つの到達点だったのかもしれないと思えるもの。対する『In Tokyo』は、静的な空気の中に音を置いていくかのような独特の空気感が特徴的で、格式の高い物を感じさせるけれど、その意味での緊張感もはらんでいて、少し疲れる部分がある。だけど、個人的には『In Tokyo』のギターの方が『Live at the Montreux』よりも面白く感じる部分が多い。って、ここまで書いて、なんかライナーに書かれている事と似通ってしまったことに気付いたけれど、考える事は大体同じって事で勘弁して下さい。ライナーを読んでしまったのが、頭に残ってそれで似た事を書いているのかもしれないけれど・・・。

まあとにかく、歌と演奏と場の空気の温かみを感じたいなら『Live at the Montreux』、異質な空間や歌と演奏の緊張感を聴きたいのならば『In Tokyo』って事。









Joao Gilberto 『Live at the 19th Montreux Jazz Festival』




ちなみに一枚ものの『Live at the Montreux』は、二枚組みに入っている曲からさん曲オミットしている。が、オリジナルの収録曲には入っていない「Rosa Morena」を収録という事をしてくれている。そのせいで、二枚組みを手に入れたからといって、一枚ものは要らなくなるという事にならない。鬱陶しい・・・。