Piri Thomas

オレは、American Claveというか、Kip Hanrahanの関わった音楽が好きなのだけど、その名前を意識したのはEWEがAmerican Claveの作品を一気に日本盤化した時で、最初にリリースされたコンピの『American Clave』に、DNAの『Taste of DNA』の音源が初めてCDに収録されると言うだけの理由で、American ClaveもHanrahanも良く知らないのに購入、結局はその後続々とリリースされるAmerican Claveの全作品を購入した。そしてAmerican ClaveのDeep Rumbaをブルー・ノートで見たことにより、オレは初めてリズムの凄さを体感して、それからは打楽器をライブで聴くということが最大の楽しみになった。さらに、American Claveによってラテン音楽と言われるものが体に染み付いて、そこからラテン音楽の凄さというものがやっとわかるようになった。簡単に言えば、American Claveは個人的にはかなり重要。DolphyとかBaileyとかMilesとかIggyとかLouとか、そういう人たちと同じぐらいオレには重要。

そのAmerican Claveからアメリカでは昨年リリースされていた『Every Child is Born a Poet』はPiri Thomasという人の名義になっていて、このPiri Thomasという人は全然知らなかったけれど、どうやらニューヨリカンな詩人らしく、そのPiri Thomasを題材にした映画のために作られたのが曲を集めたのが『Every Child is Born a Poet』らしい。Piriはここで自作の詩を朗読していて、そのバックの音楽や、Piri Thomasの朗読の入らないトラックを手がけているのはHanrahanで、実質的にはHanrahanの作品と言う方がわかりやすい。ラテン調の楽曲にジャジーな音色や洗練されたパーカッションの響きなんかは、American Claveからリリースされるものに相応しいもので、所々にPiri Thomasの言葉が挿入される。この作品の肝はそのPiri Thomasの言葉であるから、当然その言葉をダイレクトに理解できる方がこの作品を楽しめるのだけど、残念ながらオレには無理。と言う事で、対訳に目を通しながら聴けばいいのだけど、それもめんどくさくて端折った状態(日本盤が出るまで待ったのにこの状態)。でも、『死人』のような個人的には勘弁して欲しい声とは違い、魅力的とはいかないけれど、Piri Thomasの声を聴く事に抵抗は無い。まあなにはともあれ、やはりAmerican Claveの音はカッコいい。









Piri Thomas 『Every Child is Born a Poet』