Vijay Iyer / Mike Ladd

そもそもVijay Iyerを聴き出したきっかけは、Mike Laddとのコラボ作『In What Language?』。これはえらくカッコよかった。この時にLaddの事も知るのだけど、ソロ名義での作品を聴くと、Public EnemyやDisposable Heroes of Hiphoprisyに影響を受けたヒップホップな音と、ラップとういよりポエトリー・リーディングな手法を用いる。IyerとLaddのコラボは、Iyerの作った曲にLaddの書いた言葉をLadd自身やその他のシンガーが各々のスタイルで乗せていく。Iyerの作るトラックは、ジャズな音とは違い打ち込みやヒップホップ的な要素も含む為、実際にはIyerのアイディアだけではなく、Laddも大きく関与していると思う。そのコンビでの新作『Still Life with Commentator』がいきなりのリリース。『In What Language?』はスペシャル・プロジェクトだと思っていたので、こうやって続編が出てくる事には予想できなかった。

基本的に『In What Language?』と同じ路線。それがこのコラボの意義なのでその点は問題ない。が、途中で日本人のポエトリー・リーディングというかアジみたいなのが大きくフィーチャーされるトラックがあり、好みの問題なのかもしれないけれど、オレはかなりずっこけた。声質といい発声といい、まるでコメディータッチの舞台役者みたいだと思い、クレジットをチェックしてMasayasu Nakanishiという人物を検索してみると、そのまんまな検索結果・・・。しかも『Still Life with Commentator』は、どうも舞台とのメディア・ミックスな雰囲気。まあいいのだけど、このNakanishiという人の部分が例えばBossだったら、とか思うと、少し微妙な気分になってきた。もったいない。









Vijay Iyer / Mike Ladd 『Still Life with Commentator』