Vijay Iyer / Rudresh Mahanthappa

Vijay Iyerは一応M-Base派に属するピアニスト。だけど個人的にはあまり変拍子のイメージは無い。でも彼の書く曲のイメージは一定していて、アルペジオを多用したようなテーマを用いて、ジャズというよりもクラシック的な感性が強いような印象を受ける。それでも実際には結構鋭角なフレーズを弾いたりするのだけど、それが藤井郷子やMatthew Shippほどエッジを効かせた感じではないので、少しピアニストとしての個性は掴みきれていない。

という事で、Iyerを聴くというのはオレにとっては曲を聴く事に重きを置いて聴く事になる。昨年リリースされていた『Raw Materials』は、Rudresh Mahanthappaというサックス吹きとのデュオで、こんなものが出ている事を全然気付かず、またしてもMMの「じゃずじゃ」で教えてもらった。ピアノとサックスのデュオに手を出すのはためらわないでも無いけれど、シカトかましてもそのうち聴きたくなるのは目に見えているので、下手な抵抗をせずに購入。

やはりいい曲を書いている。オレのイメージ通りのIyerの曲。それをピアノとサックスが反目せずに演奏を作り上げる。MahanthappaはIyerのグループのレギュラーメンバーで、だから息が合うのは当然だけど、付かず離れずの距離感が絶妙。間、とか、わびサビみたいなものを感じるので、多分日本人には受け入れやすい類の音だと思うけれど、残念ながら知名度が無い為に、殆ど蚊帳の外のような状態だと思う。もったいない。









Vijay Iyer / Rudresh Mahanthappa 『Raw Materials』