Rock'n'Roll Gypsies

東京都知事選の前夜という事もあり、昨夜の新宿駅東口は選挙活動の最終仕上げの為に選挙カーが占拠していて、只でさえ人の多い新宿の歩行を妨げるという暴挙にいらだちつつロフトに向かう。予定の開演時間少し前に着いたので、中に入らずビルの入り口にある灰皿の前でタバコを吹かし、キャバクラの呼び込みの兄ちゃんと目が合いながらも、ロフトの客だと気付いたようで、特に声もかけられずタバコを吹かす。そろそろ開演時間に近づいたので、地下に下りてロフトに入る。入るなりとりあえずビールを一口で飲み干し、すぐにギネス(缶)を買って、チビチビ飲みながら開演を待つつもりだったけれど、結局それもすぐに飲み干しもう一本ギネス。それも丁度飲み干すという頃にメンバー入場、演奏が始まった。

後はもう最後まで一気、二回のアンコールを含めた約二時間の演奏が終わって、単純にカッコいいという事なのだろうと思った。先週はピットインでPaal Nilsen-LoveやPeter Brotzmannの強烈な演奏を聴いて「凄い」という事を存分に味わったけれど、その一週間後、同じ新宿でもロフトでRock'n'Roll Gypsiesを見て、この両者には音楽というカテゴリー以外には共通点は見付からないし、「凄い」ものを見てしまった記憶がまだ鮮明な中、少し色んな面でつらいかなと思ったけれど、ライブ終了後、雨上がりの路上に上がった時には、「明日は足がつらいかも・・・」と思う状態だった。




セットリスト的なものは詳しいところに任せるけれど、基本的に『I』と『II』からの曲が中心で、それに後期のThe Roosterzの楽曲が混じるという感じだった。あまり自信が無いのは、オレはRoostersのボックスを持っていながらも、結局は大江慎也在籍時のものしか聴いてないので、後期のRoosterzに関しては、殆ど曲が頭に入っていない為。だけど、恐らくあれはRoosterz後期の楽曲なのだろうと思う。そういう楽曲を取り入れたことによって、大江が歌っていた曲を聴く事は出来なくなったけれど、別にそれは構わない。オレはRoostersじゃなくて、Rock'n'Roll Gypsiesが聴きたいからライブに行ったのだから。

一年ちょっと前に見たときと違って、MCらしいMCは殆ど無し。矢継ぎ早に曲を演奏していく。正直な事を言えば、ロフトは音響的にはかなり苦しいハコなのだけど、そういうものを「まあ、いいさ」と思わせる事が大事だという事がロックだという事を、昨夜は存分に味わった。



昨夜のライブの感想は改行前まで。音楽でもサッカーでも野球の話でもないけれど、冒頭の都知事選の結果を受けて少し思うことを。

自分が投票した候補者が当選するかどうかという事よりも、オレは都市のバランス機能というものが気になっていた。石原という知事のやり方に、どれだけの人が彼のやっている事に気付いているのか、それがよくわかる結果が出た。ホントは細かく色々言いたいことがあるけれど、書いてみてかなり左派よりの発言にも見えるのでそれは消してみたけれど、今回石原を当選させたとこは、結局ブッシュを二期勤めさせたアメリカと大差無いと個人的には思う。そのアメリカはニューヨークという場所がバランスを保つ地域であるのに対し、東京はそういう場所ではないという事がよくわかる結果。これが東京都民の民意なのだからどうしようもないけれど、少なくてもこれから四年間、相変わらずオレをイライラさせてくれる状態が続く事が確定した。差別発言を繰り返す石原が長であるという事の苛立ちと、現時点で74歳の人に任せなければいけないほど、東京という場所の魅力の無さにあきれる。人の数が多いだけだな、この場所は。