Lucinda Williams

今まで名前しか知らなかったLucinda Williams。手持ちをチェックしたら、辛うじて『The Soul of a Man』に入っている曲があったぐらい。カントリーというとJohnny Cashぐらいしか知らないし、このジャンルを今後も積極的に聴くつもりは無いのだけど、Lucinda姉さん(ジャケットの勇ましい感じが姉さんと言いたくなる)の新作『West』はHal Willnerと共同プロデュースという事と、Bill Frisellの参加という事に多大な興味を持ってしまって購入。



カントリーと言うと、勝手に&ウエスタンなイメージがあったのだけど、このアルバムを聴くとEddi Reader辺りの音楽性と大差ないものがある。それと、カントリーなんてアメリカの白人の為のような音楽なのに、なんか懐かしいような気分にさせられる。アメリカなんてオレには関係なくて世界中の全ての人々に否が応でも関係のあるところだけど、こういう気分にさせられるのは不思議。とか考えながら気が付いた。これはあれだ、Springsteen的なものを感じる。特に4曲目の「Fancy Funeral」なんて、オレにとってはモロSpringsteenだ。そうか、それでなんとなく懐かしい感じを受けるのか。

で、これ、カントリーといいながらも、かなりブルージーと言える瞬間も多いし、Lucinda姉さんは少し声にイガっぽさがあって、シャウトすると強烈なロック・ヴォーカルを聴けそうだけど、強く歌う事はあってもシャウトにまでは至らないところで抑えている。これは姉さんの美学なのだろう。

という事で、これはかなりダサい音楽と言えると思うので、自分はイケテルと思っている人たちは聴かないだろうし、それでいいと思う。オレは予想以上に気に入った。カッコいいよ、これ。









Lucinda Williams 『West』




あんまり関係ないけれど、『The Soul of a Man』はかなり凄い面子が揃っている事を確認して欲しい。サントラだからこその面子だけど、これ、ちょっと隙が見当たらないぐらいに強烈。このなかでLucinda姉さんは、オレ的には殆ど知らない人だったので、どちらかと言うとほかに比べて見劣りすると勝手に決め付けていたのだけど、そんな事がない事を今回確認。ちゃんと通してアルバムを聴きなおして、自分の浅はかさを確認した。



Frisellの事を忘れていた・・・。というか、『West』はFrisellの活躍を確認する必要の無いぐらい、オレを楽しませてくれるもの。クレジットを見るとFrisell以外にもギターは参加しているという事もあり、印象的な音もあるけれど、それが必ずしもFrisellかどうかわからないので、特に言及するつもりは無い。でも、「Unsuffer Me」の強いトーン一発で聴かせるギターなんかは、ルーツ音楽〜ロックを知っているものの強みの音だと思う。一応その良さがわかるつもりのオレは、ダサダサのロック好きで良かったと思う今日この頃。