Terje Isungset

火曜日のライブの物販で手に入れた『Two Moons』。これも当然氷の音楽で、シリーズ通算三作目で最新作にあたる。

今作はPer Jorgensenというヴォーカル&ラッパ担当を加えた演奏で、Jorgensenの民俗音楽を思わせる歌が印象的。Isungset自身も実はいい声で歌える人で、ライブでもその歌声を披露していたけれど、こうやって別の声を入れるという事は、そろぞれの声が一つしか存在しない楽器であるという事を主張しているように思える。

Isungsetの奏でる氷の音も、他の作品に比べて音数と音色が少なく、音楽的と言える限界まで音をそぎ落としたような印象。エレクトリックな微音弱音系が、音楽的とはいえないところまで音を減らしてしまった事によりそれを聴く対象を限定してしまった事に比べれば、Isungsetのやりかたは、彼の音楽を知らない人にも訴えかける事が出来るぐらいの音楽性であり、だから千歳でのまるで彼を知らない聴衆に向けての演奏も成り立つ。









Terje Isungset 『Two Moons』




この『Two Moons』は、恐らく初のIsungset名義の日本盤。それ以外の作品はネットでオーダーしてもすぐには手に入らないような状況なので、こうやって日本盤が出る事で今後Isungsetに興味を持った人がアプローチしやすくなるという状況は歓迎したい。

ちなみにライブの物販で買った三枚のCDのうちの一枚は、既に持っていた『Iceman Is』である事が帰宅してから判明。ちょっとへこんだけれど、リリース元がJazzlandからAll Iceというレーベルに変わっていた事と、それに伴ってジャケットが変更されていた事を思えば仕方ない。それに、このAll Ice盤の『Iceman Is』は、プラケースの左側の部分に水の入ったチューブを仕組んであって、そういう遊びが好きなオレとしては、これが元々持っているものと同じ内容だと知っていても、結局購入していたと思う。