Terje Isungset

火曜日のライブの物販で手に入れたCDは三枚。その三枚とも氷の音楽シリーズ。そのうち昨年発表されていた『Igloo』は、あのSidsel Endresenを迎えてのもの。期待が高まるというより、この組合せを知っただけで飯が三杯は喰えそうな気分。

氷の音楽と言っても、聴いた事が無ければどんな音か想像しづらいと思う。イメージ的に冷ややかな音という想像をしてしまうかもしれないけれど、実際にはやわらかく、混じり気を感じさせない音。最も耳に残るのは、恐らくパーカッションとして扱っている氷。素朴でシンプルな響きは、既存の楽器で言えばマリンバカリンバに似てる。そして、恐らくバスドラという事なのだと思うけれど、まるでエレクトリック・ベースの様に時折重低音が鳴り響き、「本当に氷?」と、一瞬耳を疑う。それらの音にSidselはヴォーカリゼーションを駆使するというスタイルではなく、メロディーを重視したと思えるような歌と、効果音的に抽象的な声を乗せる。ここまで透き通った音楽は聴いた事が無い。









Terje Isungset 『Igloo』