The Source

Mats Eilertsenの『Flux』のインプレを書くのを忘れていた理由はこのThe Sourceにある。『Flux』が出たあとにSourceのアルバム『The Source』が出る事になっていたので、Eilertsenが新たに加わったこのユニット(ちなみに、このユニットの最初のベースはIngebrigt Haker Flaten)の『The Source』と『Flux』をネタ的に続けて投稿するつもりだった。それで『The Source』を手に入れて、聴いてみて、特に感想が浮かばずそのまま放っておく羽目になった。

という事で改めて『The Source』を聴いたのだけど、やはり個性を感じない。一曲目を聴いている分には、とりあえずECMという感じだったのだけど、それ以降の曲は如何にもジャズな曲、ジャジーな音を使った曲が多く、きっちりソロを回したりする。ここの所聴き込んでしまっている北欧勢の音と比べるとかなりアメリカ寄りの音で、このムーディーな感じはあまり面白くない。北欧ジャズという括りでみれば個性的といえるかもしれないけれど、そこに従事しているわけじゃ無い立場で聴けば、これなら素直にアメリカのジャズを聴く。このユニットの履歴を見るとMotorpsychoと共演していたりするので、ポテンシャルはもっと高いんじゃないかと思う。という事は、恐らくECMからこのアルバムをリリースした事が物足りなさにつながっている。例えば元々ECM的なロマンチシズムを持ったユニットならばECMの関与にピッタリ嵌るはずだし、或いはかなり過激な音を持っているタイプが、ECMの枠に音を押さえ込む事で濃密且つ圧縮されたものを作ったりするけれど、元々の路線がECM的ではなく、また、特に過激な音を持っているわけでもない場合、ECM的な音作りは、あまり面白いものにならないのかも知れない。









The Source 『The Source』