Paul Motian Trio 2000 + One

Anat Fortの作品にも参加していたPaul Motian。昨年はECMから『Garden of Eden』も出していたけれど、Winter & Winterから『On Broadway Vol.4』もリリースしていた。『On Broadway Vol.4』は何度も手にとっては棚に戻し、そのうち購入と思いながらなかなか買わずにいたけれど、またしてもマーク・ラパポート氏のコラムに名前が出てきたので、丁度いいタイミングだと思い購入に至った。

特にMotianを気に留めているわけではないので、場合によっては見過ごすつもりだったけれど、菊池雅章が半分ほどの曲に参加している事が興味の対象になる理由で、だけど、ブロードウェイの曲をやっていると言う事が、なんとなく踏ん切りのつかない理由だった。けれど、そのブロードウェイの曲が良いのか、思ってたより耳に残る。演奏自体はオーソドックスで全体的にムーディーな演奏だと言えるけれど、雰囲気に流されていない感じもあって、矛盾した印象が残る。プーさんは相変わらずウダウダした官能的な音を披露。取りようによってはウジウジしたピアノともいえないことも無いけれど、嵌ると他には無いこの響きには中毒気味になる。プーさんの参加していない曲では、Rebecca Martinという女性ボーカルが加わって歌を披露しているのだけど、これがまた良い。まるで知らない名前だったけれど、声が良いし、歌もジャジーだけどジャズではない感じがあって、しっかりした歌なのに、抽象的な感じもある。このアルバム、これから聴く回数が増えそうな予感。

肝心のMotianの演奏の印象は書いていないけど、気にしない。







Paul Motian Trio 2000 + One 『On Broadway Vol.4』