Sonny Rollins

ジャズ界の伝説の巨人Sonny Rollins。2005年11月に初めて見たコンサートは複雑な思いのするものだったけれど、アドリブのイマジネーションに関しては未だ衰えずという、素晴らしいものだった。そのRollinsのニュー・アルバム『Sonny, Please』の日本盤は、今年の一月一日発売というメデタイ感じ。

新作といってもあまり期待はしていない。とりあえず、「ダメじゃん・・・」と思わない程度ならば文句を言うつもりは無かった。で、とりあえず再生してみる。いきなりベースとアフリカンなパーカッションが絡む。「カッコいい」と思う。そして御大がテーマを奏でる。カッコいい。アドリブに移る。カッコいい。要するに期待以上にカッコいい、という状態。ちょっと予想外の展開に戸惑ったけれど、次の曲はスローテンポで、ちょっと拍子抜け。と思いながら聴いていると、それでもRollinsのソロはカッコいい。以降、3曲目がアップテンポな楽曲だったけれど、大体ミドル〜スローなテンポの曲ばかりだけど、テンポに関わらずRollinsのソロはカッコよく、76歳にしてこれだけのイマジネーションというのは驚く。これだけの知名度、そして年齢を考えれば、適当に流して演奏しても誰も何も言わないはずなのに、そんな事は頭の片隅にも無いとでも言っているようなRollinsの音は、敬意を払う必要がある。

若干、音がクリアすぎで、テナーがアルトを聴いたような印象になる部分があるのでもう少しオフ気味の音でも良かったと思うし、ベースがエレキを多用しているのだけど、これが全編Wベースだけで演奏していればもう少しボトムの強い音になったと思ったりするけど、この辺は好みの問題でもあるので、必要以上にクレームする気は無い。

とにかく、『Sonny, Please』を聴けば、Sonny Rollinsという稀有のサックス吹きが本物の天才である事を再確認出来る。









Sonny Rollins 『Sonny, Please』