Jean Paul Bourelly

CDを多々多々買っていると、自分なりのショップの使い方というのが出てくる。オレが多用しているのはレコファンタワレコで、それぞれ得意が違う。レコファンは、あまりマニアックなものは置いていないけれど、中古もあるし国内盤は基本的に10%オフのチケットが付くので、とりあえず欲しいものが浮かんだらここで探す。見付からない場合、タワレコを使う。そしてタワレコで見つけた場合、それが輸入盤なら売っているのを確認してネットストアのタワレコをチェック。ネットストアのタワレコにそのCDがあれば、ネットストアに注文する。という手順を踏んでいる。タワレコは通常の店舗とネットでは輸入盤の価格が全然違うので、店舗では購入しづらくなってしまった。なのでタワレコの店舗で購入するものは、レコファンで手に入らない国内盤であることが多い。そういう事なのでJean Paul Bourelly久々の新作『News from a Darked Out Room』を渋谷タワレコで見かけながらもなかなか購入せずにいたところ、MMの2月号でマーク・ラパポ−ト氏が軽く紹介していて、「しまった」と思う。ラパポート氏の影響が大きいオレにとっては、氏が何か書く前に聴いて自分の感想を持っていないと、それに影響されてしまうという気がしているので、ラパポート氏が手に取りそうなものは氏より先に手に入れてインプレを書こうと努力しているのだけど、今回は失敗。但し、大きく触れているわけではないのでまだよかった。で、『News from a Darked Out Room』をネットストアにオーダーしようとすると見当たらない。元々CDが手に入りにくいレーベルのようで、これは仕方ないと思い店舗で購入してきた。

Bourellyを知るきっかけはやはりMMで、ラパポート氏が書いたものではなかったような気がするけれど、そのおかげで1stの『Jungle Cowboy』からずっと聴いている。Jimi Hendrixの生まれ変わりという言い方がされるギタリストは数多くいるけれど、それが最も当てはまるのがBourellyだと思う。とにかくワイルドで挑発的なギター。レーベルの問題などからジャズにカテゴリーされているけれど、Bourellyにはロック・ファンの方が反応できる。このギターを聴いて、その音に惚れないギター好きはいないと思う。それでいながら、Cassandra Wilsonの『Point of View』や『Dance to the Drums Again』では抑えた音で見事なサポートをしていて、単なる爆裂ギタリストでは無い面も持ち合わせている。それなのに何故かイマイチメジャーになれず、音楽業界の七不思議のひとつ(オレが勝手に決めた)。

そのBourellyの新作『News from a Darked Out Room』は、アコースティック・ギターを使ったソロ演奏作品。こいう作品はキャリアを通じて初の事どころか、アコギを弾いているのを聴くのも初めてのような気がする。元々歌も歌う人なので、Bourelly流のブルースでも弾き語っているかと思っていたけれど、ここでの深遠な世界はBrandon Rossの『Costume』や『Pupet』を、Ry Cooderアコースティックギター一本で表現したかのような音。Keziah Jonesばりにギターのボディを叩いたり、ブルージーなワイルドさもあるけれど、それであっても激しさでは無く、内面を吐露するような音と言える。









Jean Paul Bourelly 『News from a Darked Out Room』




最初の方でタワレコのネットストアで見付からなかったと言いながら、リンクをはっているオレ。実は改めて試してみたら、なぜか出てきた。急にカタログに追加されたのかと思ったけど、実は検索の仕方の問題だという事がわかった。オレはJean Paul Bourellyで検索したのだけど、そうじゃなくてJean-Paul Bourelly、若しくはBourellyで検索すればよかっただけの話だった・・・。