高柳昌行

Jinya Discから『The Smile in Love』として一曲オミットされた形で発売されていたものを、オリジナルの形に戻したのが『Flower Girl』。元々私家版らしく、それもどこかで勝手にライブを録音したと言うものでもなく、どこかのお金持ちが「金やるからオレのためにアルバム作れ」と言って作らせたもの、、、かどうかは知らないけれど、そのマスター所有者が知り合いへのプレゼント用として配っていたものらしい。それも、ジャケットを色違いで二種類用意していたらしく、だから今回のCDも赤と青の二色のジャケットが用意されている。

と、どこにでも載っている基本情報を書いてみてから『Flower Girl』を聴く。これは、多少ボサノヴァの影響受けて作られたと思えるジャズなアルバム。マスター・テープが失われているのか、アナログからCDに落としたもののようで、カナルで聴くとスクラッチ・ノイズが気になる。下手なノイズ・リダクションによって音が薄くなるのを避けた結果なのだろう。仕方ない。じゃあ、演奏そのものはどうか?と言えば、特に感銘を受けるようなものでもなく、しかもヴィブラフォンが主旋律を奏でるため、ギターの印象はあまり無い。時折、さすがな高柳のカッコいいソロもあるけれど、現在においてこれを聴く意味というのは、まずは高柳の音のファンであるという事が必要。それにおいても、今オーダーすれば手に入る高柳のCDの中で、この作品は一番後に聴いてもいいと思う。

















高柳昌行 『Flower Girl』