Norah Jones

今年発売された新作CDの中からのインプレ第一号。オレはマイナー志向ではないという事を最初に言いたい。Frictionですらもマイナー扱いされた。浜崎あゆみとかスマップとか、そういう連中よりもワールド・ワイドで見れば郷子ねーさんや大友良英の方が知名度あるという事を力説しても、日本国内においての知名度がなければマイナーというレッテルを貼られるという事にムカついた。で、ムカつきながら、今年発売された新作CDの何枚かの中から選んだのがNorha Jonesの『Not Too Late』。オレはマイナーなものを好んでいるというつもりは無く、売れているものはダメという気持ちでもないという事をアッピールする為に、元旦発売のSonny Rollinsは後ろに回す。

元々Norahは嫌いじゃない。という話は去年Little Williesのところで書いたので割愛するけれど、Norahの歌う曲やその歌声は、エヴァー・グリーンと言われるようなものの系譜に属している。要するに、何時でも何処でも誰にでも受け入れられやすい類のものという事でいいと思うのだけど、現在のポップス・シーンで最もそれな人がNorahという事なのだと思う。さすがに十代ぐらいでNorahを気に入ってるとしたらいくらなんでもという気がするけれど、自分に大人という自覚がある歳になれば、こういう音楽の必要性がわかるはずだし、実際に必要とされたからあれだけのセールスを達成したはず。そういう要素を他のシンガーから得られないかといえばそんな事は無く、Norahであったというのは時代とのタイミングだっただけだと思うけれど、そういう偶然も「売れる」という項目の中では必要な要素。しかも運良く(或いは運悪く)、Norahはブルー・ノートという意地でもジャズ・レーベルと言い切りそうなレーベルに属しているのだから、レーベル側から「とにかく売れるものを作れ」なんて事は(メジャー・レーベルの様には)言われないはずで、だから肩に力をいれずにNorahは活動を続けていられる。

新作『Not Too Late』は、Wベースの音でジャジーな感触の1st『Come Away with Me』よりも、アメリカン・ポップスならではのアーシーな感触が色濃く出た2nd『Feels Like Home』に近い。個人的には、Norahの歌声の切ない感触は彼女の最大の持ち味だと思うので、その歌声が失われていない『Not Too Late』も気に入る事になると思う。









Norah Jones 『Not Too Late』




『Not Too Late』のジャケットを見ていて、そういえば『Come Away with Me』はバックが青で『Feels Like Home』は黄色で今回は赤って、これは狙っているのか?とか、そんな事が気になった。

という事で次作は果たしてどう出るのか?、って、ジャケットだけじゃなくて、音のことも含めてそう思った。でも、特に変わらず、Norahは今の路線でいい。