Snoop Dog

Dr. Dreの『The Chronic』でフィーチャリングされて、衝撃的なデビュー(大げさ)を飾ったSnoop Dogg(当時はSnoop Doggy Dog)。その後1st『Doggystyle』、2nd『Tha Doggfather』と発表し、いつの間にか西海岸の顔役のような存在になる。ここまではオレもよくSnoopを聴いていて、特に2ndのタイトル・トラック「Doggfather」が好きで、アルバムを持っているのにわざわざシングルもゲットし、イマイチな別バージョンまでひっくるめてよく聴いていた。ところがその後、まさかのノー・リミットへの移籍。ヒップホップは好きでも、Bでもなんでもないオレはいったい何がどうなってそういう事になったのか知る由も無く、新作が並んでもシカトを決め込んだ。それから数年経って、ディスプレイされているSnoopの当時の新作『Paid tha Cost to be da Bo$$』のジャケットを見て、「???」と思う。そのアルバムのジャケットは、明らかに醜悪極まりないノー・リミットのジャケットは違い、クールなSnoopの横顔(ちょっと斜め)。手にとって、ノー・リミットからではない事を確認し、喜び勇んで購入。久しぶりにSnoopの独特のラップを耳にし、「やっぱカッコいい」と再確認。ところがその後、「そろそろヒップホップは聴かない」と思い立ち、前作『R&G (Rhythm & Gangsta): The Masterpiece』はシカト。プッシュされている機関が過ぎれば目にする事も少なくなるので、その期間を乗り切り、一人、好きなラッパーを切り離せたと思った。ところが、Nasの新作『Hip Hop is Dead』を手に取り曲目を何となくチェック、Snoopがフィーチャーされた曲があり、「おおっ」と思っていると、同じに日発売されたSnoopの日本盤の『Tha Blue Carpet Treatment』が、、、結局手に取る。

そういう事で、ヒップホップ連投。NYのNasとLAのSnoop。対照的だけど多分オレの記憶ではディスしあう様なことも無かったこの二人。それぞれのシーンの中核として、今でも重要な立場なのだろう。



78分近く入っている『Tha Blue Carpet Treatment』は、そういうものとしては珍しくインタールードなトラックが入っていない。イントロダクションな1曲目を除けば全て3〜4分台の短い曲が詰め込まれていて、飽きさせないようにするためか、多彩なゲストが参加している。オレにはよく知らない名前も多いのだけど、George Clinton、B-Real、R. KellyIce CubeDr. Dre&D'Angelo、そしてなんとStevie Wonderと、さすがはSnoopという面々。そしてやっぱり西側の音だと思う。東の切迫感を感じる刺々しい音と違って、どこか緩く、ファンキーな感触がある。それはオレの意識の中にLAとかG-Funkというタームがあるせいなのかもしれないけれど、圧がかかったような音も、西側がやるとサマになる。

このアルバムを聴いてBな連中がどう思うのかは知らないけれど、オレはSnoopの独特の緩くもたついているようにも聴こえるラップが好きで、それがそれなりのトラックで聴ければ問題ない。












しっかしこのCDのジャケット、Bじゃない日本の女性が見たら絶対に手に取らないような写真だと思う。ヒップホップって、全体的にジャケットがイマイチなものが多くて、Nasなんて、個人的には1枚も気に入ったジャケットは無い。でも、RakimもGangstarrもATCQもDITC勢もRootsもジャケットはイマイチ。悪くないと思えるのはCommonぐらいかも。