浜田真理子

浜田真理子ねーさんの新作『夜も昼も』。恐らくレコファンでは手に入らないとふんでいたので、タワレコで手に入れるしかないと思い、11/2の八木美知依さんとJason Roebkeのライブ後、渋谷のタワレコに向かって前日入荷を手に入れるつもりだった。が、オレは11/3発売と思っていたけれど、実際は11/4だった為手に入れられない。それに気付かずとりあえず5Fのジャズのフロアに置いていない事を確認した後、苦手な2Fの日本人の音楽を集めたフロアに行き、Japanese Synchro Systemとまとめて購入するつもりだった。だけど当然見当たるわけなく、その日はJSSのみを手に入れた。その後、毎週1回は渋谷タワレコに行くのだから、手に入れる機会は何度もあったのだけど、2Fが苦手なので購入するまで時間がかかった。購入後もすぐに聴かずにとりあえずMP3にしてiPodに突っ込んでいたけれど、Murrayのライブ後の帰宅時に、やっと聴いてみることにした。



1曲目、「十五夜」でアルバムはスタートする。ピアノの音が鳴り、その音に「ん?」と思う。エンジニアとしてZAKを起用したこのアルバムの音は、クリアな音質とは言い難い独特の音で、この音の意図がわからない。だけど自ら弾くピアノはもちろん、バッキングを務める各々の楽器が真理子ねーさんの歌に寄り添い、本当に、ただその歌声の為だけに音を出す。そして真理子ねーさんの歌声は、陳腐な言い方だけど、まるで少女のような無垢でか弱い声で、オレの聴いた事のある歌声とは違うものになっていた。









浜田真理子 『夜も昼も』




世間には色んな流行歌があって、それぞれを各々楽しんでいると思う。オレはヒットチャートを否定するつもりは無いけれど、だけどある時期から、日本のヒットチャートはあまりにも酷いとしか思えない状況で、そういうところにいる連中の殆どに興味が無くなった。

美音堂というインディー・レーベルから今回のアルバムを出した真理子ねーさんは、恐らくヒットチャートと言うものとは無縁な存在だろう。だけどここにある歌と音は、これこそが聴かれるべきものだと言いたい。勿論、若年層にこういうものを聴けというつもりは無いけれど、大人という存在は、いつの頃から音楽を聴くという部分についての成長を止めたのだろう?と思う。30才も超えて、中学生が聴くようなものしか聴いていない連中を見ていると「今時の子供は・・・」という前に、「今時の大人は・・・」という言葉を持ってこなければいけないような気がする。

また話がずれたわけだが・・・。まあ、Rovoの時に「これは聴け」と、普段は使わないとまで前置きして使ったのでその言葉は抑えておくけれど、歌うという事の意味が硬直化している日本のヒットチャート愛好家に、この音楽が届く日が来る事があればいいと思う。

これさ、良くも悪くも日本人にしか理解できないよ。そんな特権を持っていてそれを破棄する理由があるとするならば、それって一体なんなんだろう?