David Murray

前日の投稿は久々のフリで、昨夜のピットインでのDavid Murrayのライブに行ってきた。最近の作品はフォローしていなかったけれど、一応オレにとってはアイドルだった人なわけで、あのゴリゴリなサックスが聴けることを期待してピットインへ向かった。

が、、、ライブでこんなに失望したのは初めてだった。ツマラナイ。1曲目の何音かを聴いて、それがバラッドだとわかった瞬間から気分は落ち、その後も持ち直せず。2ndで1曲だけいい曲があったけれど、それ以外は全滅。演奏そのものは悪くは無い。Murrayは7〜8割ぐらい力を使ってソロを吹いているように見えた。それなりにゴリっとした音もあったけれど、明らかに「こういうの吹いといた方がいいよね?」感があって、気持ちが盛り上がらない。イマジネーションの足りないピアノとベースのソロ、パワーだけのドラム、なんでこのライブに¥6,000も払ってるんだオレ? 他の客を見てみると、それなりに盛り上がっている。ジャズのライブ特有の、ソロの後の拍手を嬉々としてやっている・・・。「ザッツ・エンターテイメント」。

1stが終わった時に帰ろうかと思った。だけど、もしかすると2ndは違う展開もあるかもしれないと堪えたけれど、失敗だった。さらにアンコール、もしかしたらオマケだからフリーにガーッとやってくれるかもしれないと、ほんとに淡い期待を持っていたけれど、そんなわけは無かった。結局1stと2ndの間の休憩を含めて3時間の長丁場。ピットインで11時過ぎに終わったライブも久々だった。Murrayは、サービス精神は高いのだろう。




例えばもし、このライブがMurrayじゃなくて、他の外タレのライブだったら印象は違う。それはオレの中ではハッキリしている。だけどオレがMurrayに求めていたのは昨夜のような音じゃない。それもハッキリしている。あれはピットインじゃなくて、ブルーノートでも十分集客できますよ。ロフトジャズの闘士というイメージがすっかり消えうせた姿は見たくなかった。

その昔、Steve Colemanに対して「オレはビッグトーンを持っている」と、Murrayは言っていたらしく、それを聞いたColemanはちょっとあきれた気分だったらしい。その話を知った時は「なんでColemanはそんな風に思うんだ?」と思ったのだけど、昨夜のライブでオレはColemanの気持ちがわかったような気がする。

まあ、今更Murrayに期待しなくても日本に凄い音を出してくれるミュージシャンは多々いるし、勿論アメリカにも北欧にも色々いてくれて、時々をれらの音も聴くことが出来る。だからMurrayを今後聴くことは無くても全然困らないけれど、自分にとって重要な音だったはずの音を聴く事は出来ないという事は、少し寂しい気分になった。