イクエ・モリ / 高橋悠治 / 内橋和久

ライブ鑑賞三連荘目。昨夜は公園通りクラシックスにて、イクエ・モリ / 高橋悠治 / 内橋和久のライブ。内橋の演奏を聴くのも三連荘目。高橋は2日前に初めて生音を聴いたばかり。なので、一番のお目当ては当然のごとくイクエ・モリ。NYから東京に一時帰国してのライブ。前回はいつ来たのか知らないけれど、元Reckの彼女でDNAのドラムの人なわけで、NYにおける日本人アヴァン系ミュージシャンの元祖的な存在。かなりシンボリックという言い方でもいいと思う。当然の様に知名度は高いはずだけど、恐らく日本ではあまりCDは聴かれていない。それは、オレが1枚しかイクエさん名義のCDを持っていないから決め付けているだけだけど。

ライブはイクエさんがラップトップ、高橋がピアノとラップトップ、内橋がダクソフォンとギターを使って行う、多分簡単な構成のある即興演奏。1stセットは変化の緩い展開で、お互いの音を確かめているような印象。2ndではお互いの手の内がわかったのか、音の振幅が広がった感じで、1stでは殆ど無かった激しい音の展開もあった。イクエさんの音は最近の流行の音とは違っていて、微音というレベルでも高周波の感じではなく、もっとSFチックな音だったりする。高橋はASとの共演時とは違い、ちょっと激しい音を叩く場面もあって少し意外な印象。そして内橋も、ASやその他のライブでの即興とは違った、ロック的なアプローチを殆ど用いない展開。これはかなり意外だったけれど、内橋のソロCDなんかで聴かれるものと感触が近い。




選ばれたエレクトリックな音と生楽器が即興で絡んでいく様は、正直キツイ瞬間もあるけれど、うまく融合している時の特別な感じは他では得られない。個人的に、この手の音(ライブだけじゃなくてCDも含む)ではベストに近いもの聴けたと思う。



いつもガーッと感想を書いているので、めんどくさいという事でミュージシャンやバンドの名前を略している。略しているとなんとなく偉そうな感じに見えるかもしれないけれど、例えばSpringsteenさんとか書くのも変な感じなので、日本人のミュージシャンには「さん」付けしたくてもそうなるとオレの中でバランスが取れないのでそれは略しているのだけど、なんか高橋悠治を高橋とか書いているのもちょっと嫌な感じがしてきた。さらに、女性を呼び捨てってのはさらに嫌な感じなので、今回からとりあえず女性は「さん」付けします。でも、アルファベットで名前表記の場合はやっぱり「さん」付け出来ないよなあ。Madonnaさんとか、やっぱおかしいだろ。