Altered States と その仲間たち

昨夜はピットインでAltered States17周年記念ライブ2日目(ちなみに17周年記念ライブというのは、オレが勝手に命名しているだけ)。16周年記念ライブでSantana『Lotus』の完全再現をやって評判だったらしく、今回はPink FloydAtomic Heart Mother』の「Atomic Heart Mother」と『The Dark Side of the Moon』の全曲カバー大会。「どうせならCrimsonやってくれよ」と思いながらピットインへ向かう。昨年のSantanaの時も、他のライブよりも人が入っていたので予想していたけれど、昨夜は2nd前に久々に「少しずつ椅子を詰めて下さい」というお願いが出るほどの入り。皆、テーブルを少し前方に押しやりながら中腰で椅子を引っ張りつつ移動する姿は少し笑える。

Santanaの時も何人か助っ人がいたけれど、「Atomic Heart Mother」と『The Dark Side of the Moon』の完全再現をASの3人でというのは当然不可能。全員が同じステージに並んだわけではないけれど、そのために集まった演奏者の数は総勢17名。1stの「Atomic Heart Mother」演奏時が一番人数が多い。ASの3人に加え、ボントロ3人、ラッパ2人、コーラス4人、シンセ1人、ヴァイオリン1人、SE1人の総勢15人。2ndはASの3人に加え、サックス1人、コーラス2人、シンセ1人、SE1人、メイン・ボーカル&ギター1人の総勢9人と、ステージ上が少しスッキリしている。「Atomic Heart Mother」も『The Dark Side of the Moon』も、3回はを聴いていたおかげで、曲がわかる。笑えるぐらい忠実に再現している。アルバムで使われていたSEなんかに近い素材は、いったいどこから探してきたんだろう? 忠実に再現なので、ギター・ソロの部分も勿論アルバムと同じ。演奏後のMCで内橋が言っていた、「芳垣は下手なフリして演奏するのに苦労したらしい」という話に笑った(その後芳垣による反論有)。確かに芳垣クラスになると、あれぐらいの演奏では物足りなかったのかもしれない。



2ndに続けてのアンコールでは、『Wish You Were Here』の「Shine on You Crazy Diamond」。このアルバムの曲をやるかやらないかという正確な情報が無かったし、オレ自身もこのCDを持っていなかったのだけど、ライブ前日になってどうも『Wish You Were Here』からも演奏があるらしいとわかり、急遽CDを借りて1回だけ聴いた。で、この『Wish You Were Here』を聴いて少しPink Floydに対する評価が変わった。多分このアルバムは『The Dark Side of the Moon』よりも後年のものだと思うのだけど、そのおかげでステレオ・バランスが良くなっていてるし、なんと言っても「Shine on You Crazy Diamond」はカッコいい。『Wish You Were Here』もよく取り上げられるアルバムだけど、個人的には今まで聴いたPink Floydで1番いいと思うし、これなら買ってもいいかも。Hipgnosisのジャケットもオレ的には好み。

そのアンコールでは、なんと「Shine on You Crazy Diamond」用に鬼怒無月が来ていた・・・。1曲ギターを弾く為だけに来る・・・。さらに、1stセットのヴァイオリンの勝井も、内橋がMCで言っていたように出番は少ししかないにもかかわらずの参加。この2人はBondage Fruit・・・。今までCD買っていなかったような気がするので、今度CD買います。




前日のライブ時に「明日の為に昨日今日と音を合わせた」というようなことを言っていた。わずか1日のライブの為にそうそうリハは出来ない事はわかっているけれど、でも、それプラス当日のリハぐらいであれだけの演奏が出来るって言うのは、やはり凄い事。サポートの人達では、メイン・ヴォーカル&ギターのMax(多分アメリカ人)と、シンセの岡本洋が特に大変だったと思うけど、ASの3人はやっぱり演奏の核なわけで、その3人がしっかり演奏できなければ成り立たないという状況をそれぞれそつなくこなしていて、さすがだと思った。元々ナスノが譜面をこなす事は相当な力量ということを知っていたし、芳垣も色んな曲を演奏してきた人だからこの2人がキッチリ仕事する事はわかっていたけれど、内橋の演奏は少し不安があった・・・。内橋の場合、即興の比重が多い事と、ノーマルなスタイルの楽曲を演奏するところをあまり見たことが無いので、キッチリ演奏という事をやるのは、結構本人にはプレッシャーなんじゃないかと思ってみていた。けど、そんな心配は必要なかった。ボトルネックもキッチリこなしていたし、やはりこのレベルの人達は凄いです。