MZN3

一時期のノルウェージャズの取り上げ方は勢いがあった。あの頃はノルウェージャズ・ブームだったという言い方をしても当てはまると思う。そのブームの中心だったJazzlandBugge Wesseltoftの作品があまりでなくなった事と、クラブ音楽+ジャズと言うものがある程度消化された中で、以前ほどノルウェージャズがプッシュされる事も減った。と、思っている中、ノルウェーMZN3というグループが来日するという事で、ライブを見にいけるかどうかはわからないけれど、とりあえず『MZN3』を探して来た。

ノルウェー・ジャズと言えば、クラブ音楽+ジャズというイメージが強くなってしまったけれど、Atomicを筆頭に、当然ながらアコースティックなバンドが存在する。MZN3は完全にアコースティック、しかもAtomicの洗練されたジャズとは異なり、所謂フリージャズ。それもサックス+ベース+ドラムというシンプルな編成。フリージャズでトリオ編成というのは結構難しい編成だと思う。それは、多少フリージャズを聴いてきた身で考えても、David Murrayの『3D Famiry』やCharles Gayleのいくつかの作品、そして日本のフェダインぐらいしかこの編成での印象が強いものは思い浮かばないという事がある。

ではMZN3はどうかと言えば、フリージャズにありがちな、演奏が必要以上になることを避け、1曲の演奏時間を抑えることにより圧縮された濃密な音が飛び出してくる。サックスはあまり快活なフレーズを吹かずドロドロな展開になりそうな感じもあるけれど、対照的にスピード感溢れるリズム隊がそれを避け、上手い具合にお互いの演奏が生かされている。

と、書くとサックスにはスピード感無しか?って感じになるけれど、そうでもないと言うか、4曲目の「Simoon」とかは逆にサックスが引っ張っている感じで、なかなか掴みにくい。









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