The Necks

輸入盤のCDは¥2,000を超えると高いと思う。なので、そういう価格帯が多いミュージシャンのCDはなかなか購入しにくい。だからという事と、あんまり店頭に出回っていないことも多いので、The Necksを聴きこんでいるとは言いにくい。とりあえず持っているもの(『Hanging Gardens』とか『Mosquito / See Through』)を聴いてNecksの音をどれかのジャンルに当てはめると、プログレ的な転換を含むミニマル・ジャズという感じ。CD1枚に1曲(約1時間)という構成、それぞれアコースティックなピアノ&ベース&ドラムというシンプルな編成に多少のエレクトロニクス。これだけのタームで容易に想像が付くと思う。ただ、ジャズとは言ってもアドリブの応酬ではなく、ミニマルなフレーズを構築しながら少しずつ展開したりしなかったりで、バップ的なものとは程遠い。

新作『Chemist』はNecksには珍しく20分程度の曲が3曲収録されていて、これもトータルでは1時間程度だけど、1度聴きだしたら最後まで聴き通すには1時間必要な他の作品に比べれば、そういう意味だけでも聴きやすい作品だと思う。それ以外に今までとの違いは、ギターの音が加わった事。なので特に今までと大きく違うわけではないけれど、今までのNecksの音が好きなオレにとっては、この程度の緩やかな変化が好ましい。









The Necks 『Chemist』




『Chemist』の2曲目の「Buoyant」、MMでマーク・ラパポート氏も書いていたけれど、もろにMilesというか『In a Silent Way』。1曲目の「Fatal」はこのアルバムでは最もジャズ的だと思うし、3曲目の「Abillera」はロック的なものを多分に含んでいる。なんか結構、バラエティに富んだアルバムかも。