Wibutee

Wibuteeは、Jazzlandが日本でも話題になりはじめた頃、Jazzlandに所属する若手のバンドとして紹介されてから聴きだした。Jazzlandのレーベル・イメージに沿った1stの『Newborn Thing』、それにアヴァンな感触が加わった2ndの『Eight Domestic Challenges』と、どちらも結構気に入っていた。ところが3rdの『Playmachine』は、発売当初日本での流通が悪かったのか、なかなか店頭で見つける事が出来ず、そのうちその事も忘れてしまって未だに聴いていない。そして4thの『Sweet Mental』が最近発売されていたのを見つけて購入。レーベルもJazzlandから移籍して自らのレーベルを立ち上げ、『Sweet Mental』はそこからリリースされている。

『Sweet Mental』を聴いて思うのは、ポップになったという事。音の節々がアメリカ的なニュアンスに近寄っていて、もうこれをジャズの範疇にしておくのは無理がある。特に気になったのはサックスの音で、どうもこのサックスはテナーらしいのだけど、個人的には甘いバリトンの音に聴こえて、その印象がよくない。ジャズと呼ばれる音楽でのサックスとは思えず、なんとなくMorphineが思い浮かぶのだけど、Morphineのようにロックとまでは言えず、なんか煮え切らない。2ndからここまでの変貌に至ったのはどういう事なのか、『Playmachine』を聴けばつながるのかもしれないけれど、どうでもいいような気がしてきた。個人的にこの路線は好みじゃない。









Wibutee 『Sweet Mental』




要するに、『Sweet Mental』にはオレの思うWibuteeらしいと思える音が無いという事で、じゃあWibuteeらしさとは何かと言うと、ハッキリ言ってよくわからない。わからないというか、わからなくなったといったほうが正しいかもしれない。『Sweet Mental』を聴くまではなんとなく、クラブ音楽を消化したジャズでありながら、ヨーロッパらしいエレクトロニカも内包したバンドだと思っていたのだけど、そう思える瞬間が、『Sweet Mental』には感じない。