Squarepusher

ずっと1stの『Feed Me Weird Things』的なものをSquarepusherには期待していた。2ndの『Hard Normal Daddy』の時は、こういう事もやりたいのだろうぐらいにしか思わなかったのだけど、その後もなんかろくなものを作らない。前作『Ultravisitor』に至っては、1回聴いて2度と聴く事は無かった。その時にはもうSquarepusherの新作を買うことは無いと思っていたけど、、、結局『Hello Everything』を購入。まあ、これでダメならホントに踏ん切りがつく。

Squarepusherは、簡単に言えばAphex Twin(Richard D James)のフォロワーだと言える。過剰な音の中に牧歌的なメロディーの組み合わせから、そのメロディーがだんだん消えていって、必要以上な音になったのが『Ultravisitor』だと思う。それのメディアでの評判がよかったことから、『Hello Everything』も同じ路線を突き進む可能性が高いと思っていたけれど、一部で言われているように、これまでのSquarepusherの集大成的なものだった。Aphex Twinマナーのドラムン・ベース(ドリルン・ベース)や音響ノイズ的なもの、アコースティックなものまで、様々なスタイルの曲が詰め込まれていて、そういった意味では『Feed Me Weird Things』を思い起こさせる部分もある。だけど一つ気になるのは、ドラムン・ベース系の曲のリズムは、既に古いものと感じさせる事。そういった曲を聴いていると、ちょっとくすぐったい気分になる。









Squarepusher 『Hello Everything』




今作によって、Squarepusherの次作までは付合う気持ちになってしまった。だけどもう一つ、ステップを踏んで欲しい気持ちがある。例えばRichard Dは、『Drukqs』という傑作以降、あまり表立った活動が出来ていない状況があると思うのだけど、それは彼が、自己完結によるトラック・メイキングの限界に近づいたからじゃ無いかと思っている。Richard Dの場合、結局はトラックを作るという作業になってしまい、楽器的なアプローチをあまりやってこなかったことがその一因になっていると思うのだけど、Squarepusherはベースという武器を手にしているので、それを使って、他者とのコラボレーションを行うという事に目を向ければ、もっと新しい視界が開けると思うのだけど。