Bill Frisell / Ron Carter / Paul Motian

Bill Frisell / Ron Carter / Paul Motianによる『Bill Frisell / Ron Carter / Paul Motian』は、連名作になっているけれど、恐らくイニシアチブはFrisellにある。Frisellは前作『East / West』(傑作だと思う)でもストレートにジャズといえる作品を作っていて、今作もその延長線上の作品。Frisellの個性といえば、キャリア最初期からのアヴァンギャルド路線と、中期辺りから顔を覗かせる事になった牧歌的とも言えるアメリカーナ路線の2つの顔がある。どの路線も当然のようにインスト作品の為、ジャズというものを広義で考えた場合、その範疇におさまるのだけど、『East / West』や『BF / RC / PM』の様に、正面切ったジャズ的な音は過去にはあまり無かったと思う。個性的なギタリストがストレートにジャズと思えるような作品を作った場合、変に個性にこだわりすぎてイマイチになる事もあるのだけれど、さすがはFrisellというべきか、無理な編曲などはせず、ジャジーな音に従事したアルバムになっている。なので当然アドリブ部分は曲メロからの流れになっているけれど、そのままいくと甘いラインを引きそうなところは上手く回避している。硬派なジャズ。









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