Konono No.1

今回の来日公演は、どの日を見ようか迷ったけれど、結局昨夜のクアトロにした。ゲストと言う書き方で前座が2組。1つはFlying Rhythmsで、もう1つはCibelleという女性シンガー。Cibelleは全然知らない。FRは一応1枚CDを持っているけど、このCDがオレにはつまらなかったので、ライブなら印象変わるかもしれないという期待をしていた。だけど残念ながら、オープニング・アクトのFRはオレの好みではなかった。アフリカやラテン等の多種のリズムを借用して作り上げるのがFRの基本路線なのだと思うけれど、どうにもグルーヴ感がない。打ち込みで作った音を楽器でやり直しているような感じで、音の印象が平坦。さらに途中からは4つ打ちになるし・・・。周りを見ているとそれなりに反応があったので、オレの感性とずれてるだけなんだと、この時点ではそう思う事ができた。続いて登場したCibelle。普通に歌うのだろうと思ってみていたら、なんと彼女の持っているギターはエレキ。「ロックか?」と、一瞬思ったけれど、実はエレクトロニカな音を自ら演奏しながら歌うというスタイル。すぐにJuana Molinaが頭に浮かんだ。エコーは勿論リアルタイム・サンプリングもギターも全て1人でこなしながら歌う。繊細な音の場面もあり、個人的にはかなり得した気分。だけど、昨夜の客層にはちょっと向いてない。これがもったいない。

そして、やっと出てきたKonono No.1。あんまり期待するのもよくないと思っていたので、「適度に聴かせてくれればいいな」と、意味のわからない事を考えていた。演奏が始まり、電化された親指ピアノが響きだす。まるでエレキギターな音でもあるし、ベース音も刻む。リズム隊は大きな変化を伴わないパターンのリズムを叩き続ける。言ってみればそれだけの音楽。だけど自然と体はリズムをとる。長尺の曲もあり、結構体力を使うのに、なかなか逃れられない。ふとフロアーを見渡すと、なんか皆、単純に楽しんでいる感じがしてよかった。踊る為だけに行くクラブと違って、ライブではガンガンに熱が放射される事はなかなか難しかったりするのだけど、昨夜は満遍なく熱が上がっていたようだった。

ああいう、ハッピーな空気もなかなかいいと思った。