Yerba Buena

夏は暑いので涼しい音を聴きたいのだけど、結局暑苦しい類の音も聴いてしまう。それは、例えばフリー・ジャズとかの暑苦しさは寒い時期に聴いてもいいと思うのだけれど、いかにも夏らしい暑苦しい音を、寒い時にはあまり合わない気がするからだと思う。という事で、もうそろそろ涼しくなって欲しいと思いながらも、Yerba Buenaを聴いてみる。

Yerba BuenaはAndres Levinのプロジェクト。LevinはArto Lindsayとの活動で広く知られるようになった人で、当然オレもその経由で知った。ぶっちゃけ、Levinがいる事でLindsayの音にどういう影響があるのかは知らないけれど、プロデュースや曲作り、トラック制作なんかにも関わっているので、Lindsayのあの音を作り上げる事に関してかなり貢献しているはず。

で、肝心のYerba Buenaの新作。1stの『President Alien』は2003年に出て、今回聴いた2ndの『Island Life』は昨年アメリカでは出ていたらしい。輸入盤で2ndが出ていた事に気付かなかったのだけど、アメリカから遅れる事1年で国内盤が出て、そのまま気付かずにいるという事ができなかった。

アフロ・キューバンという言葉から連想できる音だけど、傾向としてはやはりラテン寄り。ラテンの曲調だけじゃなく、アッパーなノリも受け継いでいて、これを聴きながらシリアスな気分になる事はかなり難しい。NY産のラテン音楽という意味でDeep Rumbaと比べようとする向きをあるみたいだけれど、これは意匠が全然違う。比べる事は無意味。Deep Rumbaはジャズを忘れない音楽で、Yerba Buenaは午前中から騒ぎ出しそうな音楽。勿論Yerba Buenaも細かい仕掛けはあるのだけど、そういう事に捕われず楽しむのが似合うと思う。









Yerba Buena 『Island Life』




音には関係ないけれど、個人的には1stの『President Alien』の裏ジャケが好き。