藤井郷子4

久々に、ライブ見終わってすぐの投稿。

まあとにかく、このライブは待ってた。2年前見逃して以来待っていた。Jim BlackとMark Dresser、この2人の生の音を聴きたかった。昨夜はカルテットとの1セットずつのライブもあったのだけど、ここはフルセットで是非4のライブが見たかったので、今夜だけに的を絞っていた。

演奏は、なんと1st2nd共に1曲のみの演奏。俺が今まで見てきた数々のライブで、恐らく最も曲数が少ない。だけど信じられないぐらいにあっという間に演奏は終わった。特に1stセット、1曲目が終わったとき、30分ぐらいの演奏だったと思っていたら、藤井郷子がメンバー紹介をし、休憩に。「え?」と思わず時間を確認。もう、50分ほど経っていた。50分の演奏が30分に聴こえるなんてあまり無い事。しかも、フリー・インプロじゃなく、しっかり曲を演っている。完全に構成力と演奏力に飲み込まれていたのだと思う。そして2nd、さすがにこのセットは長い演奏じゃ無いだろうと思ったら、このセットも1曲で40分ほどの演奏。マジで凄いと思った。

初めて生音を聴いたJim Black。CDで聴いている限りは、スピード感を伴ったグルーヴを持ち味としていると思っていたのだけど、実際はかなり細切れのフレーズを叩き込んでくる。あまり小技を使う印象も無かったけれど、それもオレの勘違い。印象としてはグルーヴ感は薄かったけれど、多彩なフレーズの切り替え、スピード感、申し分無し。

そしてMark Dresser。この人も恐ろしく多彩。アコースティック・ベースでこれほど色々な音を聴いたのは初めて。驚異的なテクニックを駆使して、普通じゃ無いフレーズを弾きまくる。まあ、この人もアコベ特有のグルーヴの印象は薄いけれど、カッコよすぎるその音は、個人的に今夜のMVP。

もともとはトリオだったこのグループに、2年前から加わった形になる田村夏樹。あまり協力してくれそうに無いリズム隊をバックに、ストレートによどみなく吹ききる。田村自身も実際にはかなりアヴァンな吹き方を持っているにもかかわらず、やはりコントラストを大事にしたというか、引っ張られずに音の真ん中を吹いていた。ホントに、あんなリズムをバックにあそこまで吹ききるとは。さすがです。

リーダーの藤井は、いつものカルテットよりもアヴァンに弾くシーンが多かったと思う。キメるところはキメるけれど、バックアップに回るときは、自己主張を抑える。この人の上手くまとめる手腕は、才能の一つだと思う。だからこそ、アクの強い面子の揃ったグループを、いくつも維持できるのだと思う。

アンコールに「Junction」をやってライブは終わった。あっという間だった。2年に1回日本でツアーをやっているみたいなので、またこれから2年後を楽しみに待つか。



あっ、ツアー初日に田村の財布とケータイをパクッたヤツ、自首しろ。