高柳昌行

怒涛のCD5枚発表シリーズのdoubtmusic受け持分の『Axis - Another Revolvable Thing Vol.1』と『同Vol.2』は、1975年のNew Direction Unitでの演奏。『侵蝕』の約3ヶ月後の録音。こちらもオリジナルの形態を尊重し、doubtmusicらしからぬ紙ジャケ&穴無し。

『Axis』は『侵蝕』と同時期の演奏なだけに、あまり変わらない内容かと思っていたけれど、こちらはフリー・ジャズの感触よりも、フリー・インプロ的な印象が強い。音数が少ない時の緊張感、演奏が混沌としていく過程の高揚感、それらが克明に記録されている。耳は必然的に高柳昌行のギターを追ってしまうけれど、この時点で既にフレーズする事の呪縛から脱却している場面も多く、高柳のギターは今現在の音と比べても、まったく古さを感じさせない。後年まで高柳をサポートするベースの井野信義、阿部薫との共演もあり、当時最も優れたタイコ叩きの1人であったと思われるドラムの山崎弘も演奏のテンションは高い。そして森剣治のフルートを使った演奏は、オレにフリー・インプロ的な印象を持たせるの大きな要因だと思う。









高柳昌行 『Axis - Another Revolvable Thing Vol.1』









高柳昌行 『Axis - Another Revolvable Thing Vol.2』