John Coltrane

オレはEric Dolphyによってジャズにはまったのだけど、でも実は、ジャズ・ミュージシャンとしては、DolphyよりもJohn Coltraneの方に先にはまった。トリッキーな感じすら受けるDolphyに比べて、Coltraneは愚直とも思える程真っ直ぐで、激しくサックスを吹き鳴らし、それがストレートに響いてきた。特にImpluse期のColraneの音は魅力的で、フリーと言われるところに進みながらも、その音はより純粋な音になっていったと思う。そのColtraneを聴いたのはやはりDolphyが切っ掛けで、当時Vee Jay盤という事で国内盤も出ていた『Live at Birdland』(同名異作あり)という、実際にはブートレグ盤だった。だから音は良くないけれど、その中の「My Favorite Things」でのDolphyとColtraneのソロはかなり印象的で、Coltraneというビッグネームの凄さを思い知った。

あまりリーダー作の無いDolphyに比べて、Coltraneは当時最も注目されていたミュージシャンという環境も手伝って作品も多く、それをゆっくり集めながらジャズという音楽に深くのめり込む事が出来た。

そのColtraneの命日が今日、7/17で(この日はあのBilly Holidayの命日でもある)、毎年7/17はColtraneの音を聴く事にしている。例年なら大体『A Love Supreme』とか『Coltrane』(同名異作あり)、或は『Expression』あたりを聴くのだけど、今年はたまたま最近手にした『The Complete November 18, 1961 Paris Concert』を聴いている。これは『Live at Birdland』と同じようにブートレグ音源で、あまり手を出したくなる様な代物ではないのだけれど、Dolphy入りのクインテットでの演奏のためタワレコでDolphyの棚にも陳列されていて、つい、手にした。

音の良くないけれど、やはりColtraneとDolphyのソロは文句なしで、McCoy Tynerのゴスペルを思わせるバッキングも悪くない(ベースとドラムはこの音質ではさすがに苦しい)。

こうやって改めて聴いてみると、Coltraneの曲やアドリブには、インド音楽的なものを感じる。それは元々言われている事なのだけど、Coltraneを聴きだした頃はそんな事は知識として知っていただけで、その音楽にインド音楽的な要素を見いだせる程、色んな音楽を知っていた訳じゃなかった。今でも本当にわかっているのかどうかと言われれば、困ってしまう部分はある。けれど、理解するには時間が必要な事もあるという事をこういう事で確認出来る。












ちなみに『The Complete November 18, 1961 Paris Concert』は、曲のタイトル表記がおかしい。Disc1の「Impressions」と「Blue Train」が逆になっている。

それと、『Live at Birdland』のリンク先のタイトルが違うものになっているけれど、これはブートレグの宿命で、タイトルや発売元が何度も変わってしまうせい。

さらに言えば、『The Complete November 18, 1961 Paris Concert』と『Live at Birdland』は正式発売された事もあって、それはColtraneの『Live Trane 〜 The European Tours』という7枚組のボックスで、高校生の時に聴いていながら買ってなかった『Live at Birdland』欲しさに、このボックスを買おうかどうか悩んだりした。もちろん結局買ってないけど、いつかロックをあまり聴かなくても済むようになったら手を出す。かも。