Maria Bethania

実はBaden Powellの『O Eterno』を購入したのは、Marisa Monteの新作『Infinito Particular』と『Universo Ao Meu Redor』を探しに行った時で、レコファンの店頭でMarisaの新作が出た事を知ったのだけど、国内盤輸入盤ともにCCCDで、仕方なくamazonにオーダーしたらこれも結局CCCD。で、返品。タワレコの店頭にCDDAは無いかと探しに行ったのだけど、やはりCDDAは見当たらずという状況。それで仕方ないので、何かブラジル物と思って『O Eterno』に手を出した。でも、これだとMarisaの代替にはならないので、なにか女声で歌物と考え、思い浮かんだのがMaria Bethaniaの『Que Falta Voce Me Faz』だった。この作品は昨年発売されていて、聴いてみようかと何度か手にとったけれど、「まあ、いいや」状態に陥り手を出さないままだった。今回はこれを聴くタイミングだなと思って、手を出してみた。

よく知られているように、MariaはCaetano Velosoの妹で、いわゆるトロピカリズモ一派の1人。オレはCaetanoの音はよく聴いているけれど、それ以外のトロピカリズモな連中のものはあまり聴いてなく、Mariaも1枚何か持ってたと思うけど全然聴いてなかった。なのでMarisaの個性を予備知識としてもっていない状態。この『Que Falta Voce Me Faz』に収められている音は、イメージとしてすぐに出す事の出来るブラジルのポピュラー音楽そのものだと思う。元々は持っていたかもしれない実験的なところは感じ取れず、リラックスした、熟成された歌声で、Vinicius De Moraesの名曲を歌う。バックにピアノがあるせいか、なんとなくジャズ・シンガー的な印象も受けるけれど、明るい時間帯でも聴ける軽やかさも備わっている。









Maria Bethania 『Que Falta Voce Me Faz』