Peeping Tom

Mike Pattonという男は、自分自身をどういう風に捉えているのだろう。オーバーグラウンドでの活動もありながら、TzadikでのアルバムやFantomasの来日時に日本のインプロヴァイザー達との共演を嬉々としてこなす。その活動の仕方はSonic Youthとも共通項が伺えるけれど、彼らが最終的にSYという集合体に戻る場所を持っている中での活動である事に比べて、さまざまなバンドを立ち上げてみせるPattonは、結局個人にしか帰結出来ない。それならば尚の事足元を固めようとしそうなものだけど、Pattonの活動はあえてそれを避けているように思える。その動き方は天才的とも思える反面、何も考えていないようにも感じられて、外野から見ていると危うい。だけどその危うさこそが、Pattonの最大の魅力かもしれない。

Peeping TomはPattonの新たなユニットと言えばいいのか、まあとにかくそういうもの。各曲でPattonが誰かとコラボしていて、この間のDub Trioとの共演もここに別バージョンが収録されている。

アルバムの内容は、Patton自身語っているようにポップ、というか、王道よりの作品だとも言える。なんとなく、RHCP辺りがやっててもおかしくないと思えるようなものもある。そうは言っても、どうしてもPatton流のちょっと普通には嫌われそうなボーカルもあるけれど、これが無ければPattonがやる意味は無いわけで、それを個性として解釈してもらえれば、この作品が久々にヒットとという事も考えられない事も無い。









Peeping Tom 『Peeping Tom』




コラボの相手を見て、誰もが「マジ?」、と思うのがBebel GilbertとNorah Jones、それとMassive Attackだろう。でも、一番意外そうなNorahは、LittleなんかでNYのライブハウスでの活動もある事を考えれば、案外そういう場で顔を合わせたのかもしれないと勝手に想像できる。Massiveも、どこでつながったのかは知らないけれど、Massive自体がMadonnaとの共演歴があることを考えれば、意外ではあっても不思議ではない。だけど、Bebelとの接点が想像つかない。Bebelの活動拠点は知らないけど、もしかしたら彼女もNYなのだろうか? それならば、Arto Lindsay辺りが絡んで顔見知りになったのかも知れないけれど。