大友良英

昨夜はピットインで大友良英のギター・ソロのライブを見た。日本のアヴァン系では人気、知名度ともにトップクラスの大友だけど、ONJOと比べてギターソロのライブの集客力がどんなものなのか、場合によっては立ち見か?、等と考えていたけど、8〜9割ぐらいの入りで、見る方にとってもちょうどいいぐらいの集客だったと思う。

セットの中にソロでの演奏が組み込まれていることは多々あるけれど、一晩のライブで演奏者が一人しか出てこないというのは今回が初めてだった。

1stセットはテーブルギター状態の2台ギターをフィードバックさせて、その持続されるフィードバック音の中での音の位相を変えていくという手法。演奏のダイナミズムというよりも、空気の臨場感みたいなものを感じさせる演奏。かなり心地良い状況で、少し眠気も誘うものだった。

続けてエレクトリックギターで、「Lonely Woman」。これをやられると、大友が師事していた事のある高柳昌行の演奏がどうしても頭に浮かぶ。

2ndセットはアコギで、大友の作ったサントラから「女人四十」「青い凧」「カナリア」と、ジャズ・スタンダードの「Misty」をつま弾く。ここでの演奏は即興やアドリブ的なアプローチを排した丁寧に譜面を再現するような演奏で、その朴訥とした演奏は好印象で、1stセットと違うアプローチをする事によって、ライブの場を飽きさせない状況にしていたと思う。2ndの最後はエレキによる即興での演奏。これは最も大友のイメージ通りの演奏で、ここで繰り出される音の数々はかなり強力。音へのアプローチにロック的なものを感じさせない大友の音は、普通のロックしか演奏していないミュージシャンから見たらどう思うのだろう?

アンコールはアコギで「Lonely Woman」。ここでのアプローチも基本的にはエレキと違わず原曲の持つ美しい旋律を響かせる為のもので、「この曲は一生弾き続ける」という様な事を大友は言っていたのだけど、その気持ちが伝わるような演奏だった。









大友良英 『Guitar Solo』