Don Caballero

前出のBattlesの音楽的イニシアチブは、ギターのIan Williamsだと思う。そのIanは元々Don Cabarelloというバンドをやっていて、そのバンドの発展系と言えるのがBattlesなのだろう。ところがそのDCの新作が突然出ていて、タワレコでこれを発見した時オレは「!!!、・・???」と、なり、色々考えた末に購入した。

Battlesにハマった時、DCも聴いて、なんとなくIanがBattlesを作った理由がわかったような気がしていた。それはBattlesのドラムがストイックに叩き続けるのに対して、DCのタイコは派手な叩き方で、それはそれで面白いのだけど、比べて聴いた時にオレはBattlesの音の方が面白く感じた。バチバチ叩きながらも重くならずにシャープな印象のBattlesにはありそうでなかったものを感じるのだけど、DCの場合はよりプログレ的で、それがなんとなくBattlesに比べて個人的には面白くなかった。だけど、もしBattlesを知らない状態でDon Caballeroを聴いていたら印象は違ったと思う。で、Battlesに比べるとイマイチに思った事は確かだけど、決して面白くなかったわけではなかったので、とにかくDon Caballeroの新作『World Class Listening Problem』を聴いてみた。

この新作にIanがいる状態なのかわからずに購入してたのだけど、その音を聴いてすぐにIanはいないだろうと思った。それはこの新作の音がヘビメタ的なものを感じるようなギターが鳴っていたからで、Ianは今更そんな音を出す為にDCに参加するとは思えなかった。そしてCDのクレジットを確認してIanが参加していない事を確認し、正直言ってホッとした。

IanはStorm & Stressというバンドをやっていた事もあって、実はそっちもBattlesにハマった時に聴いたのだけど、こっちはミニマルなフレーズを使って演奏するスタイルとは違い、DCのフリーキーな部分を抽出したかのようで、NYアヴァン系の音に通ずるものがあり、元々それ系の音が好きな立場ならこの音はすぐに好きになった。

結果として、BattlesとStorm & Stressの中間の様なDCは、そのせいでオレにとっては中途半端な印象になってしまったのだと思う。









Don Caballero 『World Class Listening Problem』