Keith Rowe / Toshimaru Nakamura

Erstwhileレーベル久々の新作は、Keith Roweと中村としまるの『Between』。2枚組なこのアルバム、延々とエレクトリック・ノイズが展開されていて、この手の音を聴いた事の無い人なら、このCDがおかしいと思う事は間違いない。まあ、多少この手の音を聴いている立場なら、「またか」と思わないでも無い。空間を塗りつぶす様な音ではないため、iPodなどのポータブル・プレイヤーに入れて持ち歩いても、使い道が無い。この手の音は、ライブの場においてある程度の効果を発揮すると思うけれど、正直言って、その場にいる事はオレにとっては苦痛である事は想像に難しくないので、とてもライブの場に行きたいと思わせる様なものでもない。

じゃあ、この手の音楽(非音楽)を、どういう時に使うのか?と言えば、これはわかった様な顔をするときに有効なものだと思う。マイナスの多い音楽というこの構図を、さもわかったかの様な顔をして、したり顔で話すには絶好の代物。あるいは、全ての音楽に対するアンチテーゼととらえてもいいわけで、それならば、ガンジーのように無抵抗主義のパンクという言い方も出来る。