Red Hot Chili Peppers

今じゃ大物として、知らない人がいないと思われるRed Hot Chili Peppers。もうすぐ4年ぶりの新作『Stadium Arcadium』が発売されるとあって、MMでも特集が組まれている。この久々の新作が2枚組みであることに加えておまけの色々付いた限定盤というちょっと鬱陶しいものも発売されるのだけど、通常盤と限定盤のどちらを購入すべきかというくだらない事を考えつつ、今までのアルバムを聴きなおしている。

ロックファンには『Mother's Milk』と『Blood Sugar Sex Magik』で名前が知れ渡り、『Californication』や『By the Way』でロックファン以外にも名前が浸透したと思う。オレは『Mother's Milk』で名前は知っていたけれど、自分で購入したのは『BSSM』から。だからオレにとってはこの『BSSM』がRHCPの代名詞。「Give it Away」でヒップホップ+ファンク+ロックを違和感無く同居させ、「Under the Bridge」で泣きメロを使った王道と言えるスタイルを見せたこのアルバムに、それ以前の音の総括と、それ以降の出発点が刻まれている。『BSSM』以降、やんちゃなミクスチャー(でも実は凄く洗練されている)の手法を減らし、徐々に王道のスタイルにシフトしていくのだけど、その過程で初期のファンからは売れ線狙いと揶揄され、アンダーグラウンドな方面では打倒すべき存在として非難された事もある。なんとなくオレの性格的にもキライになりそうな感じなのだけど、不思議とこのバンドはキライにならずにいられる。それは例え売れ線とか王道と言われるになったといっても、その楽曲自体に惹かれる部分があれば、それが売れていようが売れていなかろうが関係ない。オレは単純に、RHCPの曲が好きなだけ。




RHCPのアルバムで見過ごされがちなのが、『One Hot Minute』。個人的には代表作は『BSSM』だと思うけれど、一番よく聴いたアルバムはこの『One Hot Minute』だったりする。それはこのアルバムにしかないヘビーな音があって、それはそれ以外のRHCPでは感じることが出来ない類の音なので、RHCPの本文からは外れてしまうのかもしれないけれど、皮肉な感じだけれど、だからこそ『One Hot Minute』だけは突出したものを感じて、そこがこのアルバムを聴き返すことが多い理由になる。表面的には落ち着いた印象の『Californication』もある種のヘビーさは感じるけれど、ギターの鳴りという点において、『One Hot Minute』のDave Navarroの音の方に魅力を感じる。