Adrian Sherwood / Tackhead

Adrian Sherwoodといえば、無く子も黙るON-Uの創始者にして、プロデューサー。PILやPop Groupを手がけたことで、ロック・ファンでも当然知っている名前。TackheadがON-Uのハウスバンドのような連中がそろったバンド。なんとなく今まで聴いたことがあるような気がしていたけれど、実は名前を知っているだけで、音は殆ど知らないという事が、『Tackhead Sound Crash』を聴いて明らかになった。どうもこのバンドはON-Uのハウスバンドらしく、Sherwoodに加えてベースにはあのDoug Wimbishの名前がある。

肝心の『Tackhead Sound Crash』はTackheadの曲をSherwoodがメガ・ミックスしたもので、昨年の『ON-U Sound Crash』の続編にあたる。『ON-U Sound Crash』は、とっ散らかりながらも結構面白かったので、今回も期待は大きい。ちなみに同時にAudio Active版も出ているけれど、このバンドも変にデジタルロック化してからは聴いていないので、今回は見送り。

ON-Uといえば普通はレゲエ / ダブのイメージなのだけど、Tackheadはダブの手法は感じられるけれど、音はかなりごった煮感が強い。「こういう音、なんて説明すればいいのだろう。なんかスクラッチとか入ってるし、こういうの聴き覚えあるよなあ」と思っていて気が付いた。これはあれ、エレクトロだ。Africa Bambaataaとか、初期のTmmy BoyやSugar Hillレーベル辺りの音と同じものを根底に感じる。



このアルバムは(他もそうなのだろうか?)Sherwoodの力なのか、デジタルでもないのに音がシャープ。でもそのせいで音が結構硬くて耳が痛い。この間のKrushのやつと同じ様な感じ。特にベースの音が大きすぎで、今のオレにはこの音を好きになる事は難しい。ただし使用方法として、朝、仕事に向かう時に、目を覚ます目的でこれを聴くというのは有りかもしれない。