Paul Weller

この人のライブもいい加減見ておかないと、と思ったのは、昨年『As is Now』が出たとき。その時、多分アルバムにあわせてツアーがあるだろうと思っていたので、予想通りの来日。ただ、東京は中野サンプラザZeppというオレのテリトリー外なので、「あちゃー」と思ったけれど、仕方なく、まだ地理的に明るい中野に行く事にした。

ちなみに今回の席は2階で、1階の席も取れないことは無かったのだけど、なんとなく後ろの方で視覚的に邪魔されずゆっくり見たいと思い、あえて2階席を選んだ。

定刻から少し遅れて、さらっとWellerが出てくる。演奏が始まる。頭の2曲ほどは「ふうん」という調子で、割と冷静に見ていた。ロックのライブなら大体1曲目から足は勝手にリズムをとる癖が付いているのだけど、今夜はそんな状態にならない。ところが演奏が進むに連れ、少しずつ体が反応する。中盤に向かう辺りでは、結局グルーヴに嵌っていた。そして中盤を迎えたあたりで、落ち着いた演奏に変わる。Wellerはアコギを使ったり、キーボードを弾いたりしている。カッコいい。ただ、ちょっとこの緩い演奏、3曲ほどで締めてくれれば個人的には嬉しいのだけど、それはオレのワガママでしかないからどうでもいい。そしてその後演奏がグルーヴィーな方に戻り、後はアンコールが終わるまで、Wellerの歌とバンドのグルーヴに浸っていた。



今回初めてWellerを見たのだけど、予想よりも元気に動いていて、ちょっと意外な気分だった。もっとこう、斜めっているのかと思っていたけど、ギターを楽しそうに弾いている姿は、結局いまだにロック小僧のままだった。

オレのイメージのWellerというのは、カッコつけでちょっと斜に構えているにもかかわらず考え方はまっすぐで、だからいつまでも青臭い部分を持っているという感じ。あんまりいい感じのイメージじゃないように思えるかもしれないけれど、オレはロックを続けるのは、こういう人じゃ無いとダメだと思っている。だからWellerは、オレにとってはロックの理想的な姿(の一人)。