Ben Harper

Ben Harperの新作『Both Sides of the Gun』は、本来1枚のCDに収まる長さをあえて2枚組みにしている。Disc1は全体的にスローな楽曲。ストリングスを配した緩やかな音の連なりは、何も知らずに聴けばこれが、2006年に発表されたばかりの新作だとは思えないだろう。Disc2はミドル〜アップな曲の集まり。ここでもストリングスの音の強さに惹かれる曲があり、特に低音を「ガッガッ」とやられた音は、オレのチャチな環境でも十分に響いてくる。この作品の音の古臭さは意図的なものなのだろうけど、それは単なるコピーというより、ここに収められている楽曲に一番ふさわしい音を選んだ結果、こういう音になったんじゃないかと思う。

Benのトレードマーク的なワイゼンホーンの登場は大分少なくなったけれど、そういう個性を使わなくても、自分の音の個性を発揮できるようになったという自負があるのだろう。それを納得させるだけの説得力が、この作品にはある。




オレの購入した『Both Sides of the Gun』はボーナスディスク付の3枚組みなのだけど、2枚組みに比べて価格が倍なのは何故?