Chicago Underground Duo

このユニットの音をいつから聴きだしたか覚えていない。いつも新作が出てもあまり慌てる事も無く、発売日やフライング発売に合わせてCDを購入するという事もしていない。だけど結局その新譜を購入し、毎度の事ながら「やっぱこいつらカッコいい」と思う。前作の『Slon』はトリオ編成で、純ジャズファンが聴いても違和感の無い音だったと記憶しているけど、新作の『In Praise of Shadows』はどちらかといえば音響的な側面が強く出た作品。でもそれはSupersilentなんかの最初からジャズを脱却しているところからはじめた音とは違っていて、あくまで根底にあるのはジャズを感じさせる音。

それでもCUのCDは、ショップではジャズのコーナーではなく、ロック系のコーナーに置かれている事が多い。それにはちょっと違和を感じるのだけど、それによってCUのCDに手を出しやすい状況もあるかもしれないのでそれの変更を望むわけではないけど、ジャズのコーナーにもCUのCDが置いてある方がしっくりくる。




このユニットは、今回のようにデュオであったりトリオであったり偽トリオであったりカルテットであったりオーケストラであったりと、ころころ編成を変えながら活動を継続していて、元々はシカゴの老舗Delmarkからリリースをしていたのだけど、その後Thrill Jockeyに移籍して、音響というタームを上手くジャズに当てはめたと思う。ジャズといわれる音楽が、時代の音を取り込もうとしながら悪戦苦闘している状況で、CUの音響とジャズの交錯は、一つのスタイルに昇華されている。