Altered States

このバンドのライブを初めて見たのは数年前で、それがオレが初めて新宿ピットインに行った日だった。その時、観客は30人にも満たないような数で、あまりの少なさに驚いたことを思い出す。そしてそのライブはオレに強烈な印象をくれたのだけど、その日はスケジュールの都合が悪く、1stセットだけしか見ることが出来なかった。それから、また機会を作ってAltered Statesのライブを見に行くつもりだったのだけど、なかなかライブのスケジュールが掴めず、久々にライブを見たのは昨年の4月だか5月のピットイン。そこで初めてフルでライブに接して、オレにとって、藤井郷子カルテットと並ぶ一番ライブの見たいバンドになった。そして昨年の16周年3Daysを見て、昨夜久々にピットインでのライブを見に行った。

観客の数は初めて見た時からは考えられない数になっていて、各メンバーの最近の知名度の上がり方を考えれば納得だけど、少し感慨深い。

ライブは1stで10分ぐらいの演奏と40分ぐらいの演奏。2ndはフルで50分ぐらいの演奏だった。アンコールはオマケ程度の5分ぐらいの演奏だったけど、昨夜の充実した演奏内容を考えれば、オマケを貰っただけでも得したようなもの。

とにかく昨夜は、オレが見たASのライブで最高の演奏だったと思う。特に2ndセットの演奏は、今までのASではあまり聴く事の出来なかった音があったり、サンプラー(?)を駆使したエレクトリックな音との融合が印象的だった。課外活動の多いバンドだけど、それぞれがその活動から持ち帰ったものをASというバンドの中で提示するという事が出来ているのだと思う。リズム隊の2人は日本の優れたユニットでそのポジションを任されているけれど、やはりこのバンドでの演奏が一番良い。芳垣安洋の最もパワフルなドラミングを聴けるのは間違いなくこのバンドだし、ナスノミツルも、遠慮無しに音を張り上げられるのはこのバンドだからだろう。そして内橋和久は、エレクトリック・ギターの音で最も美しい音を使ってバンドを引っ張る。真面目な話、このバンドが今の日本のインストゥルメンタル・バンドで、最も優れたバンドだと思う。