From Between Trio

Michel Donedaの名前ぐらいは知っているけど、音は全然聴いた事がない。しかも、楽器すら何を使っているのかわからない。だけど、まあ、そういう状態でライブを見るのも楽しいだろうと思い、ピットインに行ってきた。

もちろん、行く前には楽器がS.SaxとSopraninoという事ぐらいはわかったのだけど、どういう演奏を行うのかは行ってのお楽しみという状態だった(予測はたつけど)。一応トリオ編成なので、他にも2人のメンバーがいて、Jack Wright(As,Ss)と 中谷達也(Per)で編成されている。勿論、この2人も聴いた事はない。ただし、今夜のゲストで、沢井一恵(琴)と斎藤徹(Contrabass)という事で、斎藤徹はCDを持っているので、100%分からないというわけではなかった。ところが、ゲストの沢井一恵とうまく調整出来なかったのか、彼女は今夜は欠席。こういう場での琴の演奏が好きなオレとしては、ちょっと残念だった。

ライブは1st2nd共に、45分ぐらいずつのセット。当たり前だけどアンコールは無し。内容的には、やはりゴリゴリのヨーロッパフリーとでも言えばいいのか、まあ、ああいう演奏。要するに、ジャズ的な要素をほぼ抜いたような音で、パーカッションはリズムの展開は一切無し。サックス陣もコントラバスも、勿論普通には演奏しない。微音状態からある種のカオスまで、演奏というよりも、音を放り出すといった方が近い。だから、こういう音を全然知らずに、まあ、フリージャズみたいのものと勘違いしてきてしまった人には相当辛い演奏だったと思う。オレはと言えば、只淡々と、その音を拾って聴いていた。

このライブがいい演奏だったのかどうか、オレにはわからない。こういう演奏に良いとか悪いとか、そういう言い方をするのは何か違うと思う。もちろん、気に入ったとか気に入らないといった感想はあってもいいと思うけど、その場で演奏を作り上げていくという様子は、音のドキュメンタリーを見ている気分だった。

付け加えるなら、今までライブでは聴いたことのなかった音を聴く事が出来たという事は、言っておきたい。