梅津和時 KIKI Band

CD『Dowser』の発売記念ツアーという事で、新宿ピットインに行って来た。

はたしてKIKI Band(梅津和時)に、どれ位の集客力があるのかと思っていたのだけど、なんと立ち見が出るほどの盛況ぶり。梅津和時のライブを見るのは今回が初めてで、日本のジャズシーンの重鎮なわけだから、やはり期待してしまう。

そして今回のライブ、正直言って1stセットは半分ほど寝てた。まあ、体調のせいもあるのだけど、あまり面白く感じられず、正直言って、休憩の間に帰ろうかと思った程。それでも折角来たのだからと思い、気を取り直して2ndセットを聴く。

1stはミドルテンポの曲が音に表情が感じられず、「ワンパターンの中央線ジャズだ」と感じていた。ところが2ndは少し様相が違う。頭から2曲がアップ〜ミドルの曲で、眠気は襲ってこない。ところが次の曲がミドルテンポで、「また眠くなるかも」と思ったのだけど、この3曲目はゴスペルライクな曲で、そのメロディーに惹かれて眠気は襲ってこない。このバンドは所謂「スーパーグループ」の類だと思うのだけど、だから演奏が白熱した時は、割と定型のパターンに陥ってしまっていて、それが1stはつまらなさを感じるところでもあったのだけど、2ndでは特に鬼怒無月のロックギターが炸裂する瞬間が多くて、それがオレの眠気をとばしていたのだと思う。

特にアンコールでの鬼怒は凄まじく、かなり聴き応えのある演奏だった。

一つ触れて置かなければいけないのは、リーダーの梅津和時。彼のCDは何枚も持っていて、今までにも結構聴いてるという事もあるのだけど、彼のソロは、はっきり言ってイマジネーションが欠けていると思った。DUBの頃から殆ど変わらない、同じスタイルのソロが多くて、だから彼のソロはオレには辛かった。だけど、ゴスペルの曲でのメロディーを生かしたソロはかなり良かった。個人的には今後はそういう音、中央線ジャズのちょっと面白おかしい音ではなくて、もっと良いメロディーを生かした演奏にシフトして欲しいと思う。