Jim O'Rourke / 坂田明

昨年の4/21〜22にJim O'Rourkeと坂田明のセッションが新宿ピットインであって、オレは4/21のセッションを見に行っていた。

そのちょっと前に初めてSonic Youthのライブを見て、まだ興奮の冷めていない状態でJim O'Rourkeの再来日、しかも新宿ピットインならSYのライブよりもJim O'Rourkeの姿を近くに見ることが出来る。セッションの相手の坂田明は個人的にはそんなに聴いているわけじゃなかったけど、日本のフリー・ジャズ界の重鎮だし、数年前に出た『Fisherman's.com』であのPete Cozyをフィーチャーしたりして、今でも面白い活動を続けている。

4/21のセッションはJim O'Rourke(G)と坂田明(Sax,Fl)に、Darin Gray(B)、Chris Corsano(Ds)、坂田学(Ds)という翌日と同じメンバーに加えて、この日だけのゲストとして吉見征樹(Tabla)が加わっている。

吉見がゲストで加わったのはJim O'Rourkeの要請によるものらしく、「日本人のミュージシャンなのに、オレは名前すら知らないやつを指名してくるなんて、さすがJim O'Rourke」と、思った。ところがこの話には続きがあって、どうもJim O'Rourkeが指名した吉見というのはBoredomesのヨシミであって、呼ばれた吉見は坂田サイドの勘違いだったらしい・・・。

まあそんな事は置いておいて、そのライブはどうだったかと言うと、ブロウする坂田明にJim O'Rourkeが色を付けていくといった印象が強かった。ステージ上の坂田明を見た時、「可愛い、小さい、可愛い」と思った。・・・ホントは可愛いとは思いませんでした。まあ、その小さな坂田明の後ろにベースのDarin Gray(大きい)が立っていて、その対比が面白かった事を思い出したりする。

そのセッションは両日とも録音されていて、そのライブのMCで今年(2005)中にどこかから発売すると坂田明が話していて、そのCDの発売を心待ちにしていた。

そして昨年の12/14に発売された『およばれ』がそのライブのCDで、どちらの日の演奏が入っているのかCDを購入するまではわからなかったけど、クレジットを見たところでは両日から演奏が選ばれているらしい。ところがライナーを読むと、この『およばれ』に入っている演奏はオレが見た4/21の演奏で、4/22の演奏は今年CD化されるとの事。どっちがホントかよくわからん。




CD化された『およばれ』を聴くと、当日の印象に加えて、「意外にMilesっぽいな」と思うところもある。ライブではもっとドラムの印象が強かったのだけど、それがミックスで処理されたのか、思ったよりも整理されていて、この熱い中にも冷静なニオイがするところが、70年代のファンクなMilesを思わせる。それに、坂田のフルートがDave Liebmanを連想させるし、オレがMilesファンという事を差し引いても、ここにMilesとの類似性を聴く事は難しくないと思う。