花田裕之

昨年の『Origin Duo 〜 Counterattack』とRock'n'Roll Gypsiesの『II』は相当気に入ってて、だから色々考えながら(本当は手を出したくなかった)花田裕之の昨年のソロ『Nasty Wind』を購入してみた。以前ここに書いたように、何年も前に買った花田のソロは印象が良くなくて、今でもどこかにしまったままで探す気になれないのだけど、昨年の花田がらみの音は充実していたので、無視出来ない状態になった。




Rock'n'Roll Gypsiesという自らがメインのバンドを持ちながら、ソロでもアルバムを出すという事はそれなりに難しいのではないだろうかと思うのだけど、Rock'n'Roll Gypsiesに近い音ならソロで出す意味は半減するけど、その音は多分オレにとってはハズレにはならない。そういうややこしい事を思いながらアルバムを聴く。Rock'n'Roll Gypsiesはストレートなロックの音を聴かせながらもテンパるわけでもなく、それまでの培ってきたロックのカッコいい音を聴かせてくれる。そして花田のソロは、それをルーズに、レイドバックした表情で演奏している姿が思い浮かぶ音になっていた。革新的だったり、最先端をいってたりする音の瑞々しさには無い、穏やかだけれど揺らがない音がここにある。