Cuong Vu

John Zorn周辺という事は、大体NYのダウンタウン周辺のミュージシャンという事になる。そこから有名になっていったミュージシャンと言うと、オレの頭に浮かぶのはBill Frisellなのだけど、もしかしたらこのCuon Vuが最も有名なミュージシャンになるかもしれない。というのも、Cuong VuはあのPat Methenyのグループに参加していて、それまでとは全然違う聴衆を相手に演奏を行っている。恐らくそれまではNYの小さなライブハウスが彼の主だった活動の場だったはず。それが今では世界中のコンサートホールを回るような活動に帯同しているわけで、そうなれば自然と知名度も上がっていくだろう。

そんな上り調子の状態で、Cuong Vuのソロ名義での新作『It's Mostly Residual』が出た。

なんか、以前から聴いていたような書き方をしているけど、実はオレもこのアルバムが初めて聴いたアルバムで、JZ周辺からMethenyグループへの参加という宣伝文句で手に取り、Bill Frisellの全面参加という事で購入の決断をした。要するに、前面的にBill Frisellが入っていれば、それで購入のきっかけになってしまうという事。だからこのアルバムを聴いて、ここでの音がCuong Vuの今までの音と変わらないのか、それとも変わっているのか、もし変わっているとしたらそれにBill Frisellは加担しているのか、全然わからない。だけど、ここでの幽玄的な音はBill Frisellの音と共通するものがあって、だからBill Frisellファンのオレには、このアルバムはすんなり受け入れられるものになる。