Miles Davis

紆余曲折がありながらも年内に発売されて良かった。噂の『The Celler Door Sessions 1970』をamazon.jpから購入。6枚組みにもかかわらず、今ならなんと¥8,880。日本盤はこれに対訳がつくだけで\15,120というバカらしい値段なので、躊躇なく輸入盤を購入。

この『The Celler Door Sessions 1970』は、Teo Maceroが鋏を入れて作り上げた『Live Evil』のライブ部分の元ネタ集で、その全貌が明らかにされる事はエレクトリック期のMilesの再評価が高まって以来のファンの願望の一つだった(はず)。だから正直言って、Milesの『Live Evil』を聴きまくった人以外にはあまり意味のない代物。オレの様な、「Miles恐るべし」と常に考えている様な輩向けのコレクターズアイテム。中身は、タイトルからもわかるように1970年にCeller Doorで行われたライブを収録したもの。Disc1が12/16の2nd、Disc2が12/17の2nd、Disc3が12/18の2nd、Disc4が12/18の3rd、Disc5が12/19の2nd、Disc6が12/19の3rdとなっている。聴きものはやはり、(この頃はほんとに凄かった)Keith Jarrettのキーボード(エレピ、オルガン)とJack Dejohnetteのドラム。この二人が脱退後のMilesバンドは、キーボード奏者としてKeithに及ぶようなものは当然いないし、ドラムもDejohnetteの様な自在型の優れたドラマーでは無くグルーヴ重視になってしまうので、ここでのアグレッシヴな音は、歴代のMilesバンドでも最高位だと言える。個人的なハイライトはDisc5&6で、ここには急遽John McLaughlinが加わっている。それまでは同じメンバー(Disc2からAirto Moreiraが加わっているけど)で演奏している為、その4枚の演奏に大差はない。だけど、やはり何かが足りないと思ったのか、それとも単に飽きたのか、或いはスケジュールの都合か、Milesが急遽呼び寄せたと思わしきMcLaughlinのギターが加わる事によって、Disc5と6では、それまで以上に優れた演奏になっている(そう思うのは、オレが単にギターが好きという事も大きく作用していると思うけど)。

6枚で6時間近いこのボックスをずっと聴いていると流石にクラクラしてくるけど、この頃のMilesバンドの音には拒絶出来ない魅力が溢れていて、なかなかやめられない。止まらない。




止まったので、寝る。