Clifford Brown / Eric Dolphy

今年の歴史的発掘音源(大袈裟)としてはThelonious MonkJohn Coltraneの『Thelonious Monk Quartet with John Coltrane at Carnegie Hall』があるけれど、個人的には『Together: Live at Dolphy's Home, Los Angels 1954』の方が嬉しい。それまでオレが聴いた事のあるDolphyの最も古い録音は、1958年に録音されたChico Hamiltonの曰く付きの『The Original Ellington Suite』だった。この『The Original Ellington Suite』でもソロの瞬間にすぐにDolphyをわかる個性が確立されていて、「この頃からすでにDolphyだったんだな」と、当たり前の事に感動した。それよりさらに古い録音(1954年)の『Together: Live at Dolphy's...』は、音質もかなり酷いもので、Clifford BrownかDolphyの熱狂的ファン以外には、聴くに堪えないものだと思う。だけどオレにとってこれは、「この頃からすでにDolphyだったんだな」と、またしても感動する録音だった。そして、個人的にあまり好みではないClifford Brownも、その名作と呼ばれるアルバムよりもここでの音の方がバリバリ吹いていて、「へー」と、一度手放したアルバムを、機会があったらもう1回聴いてみようと思った。