Arve Henriksen

Rune Grammofonを聴こう」第2弾。今回はSupersilentのラッパ担当のArve Henriksenを聴いてみる。ノルウェーの新世代というのは現在ではこの人辺りの世代を指すらしく、Nils Petter Molvaerは既にそこからは外れるという事らしい。Supersilentというグループは基本的に即興で音をだすコンセプトで、その完成度の高さは現在の即興主体の音楽でもトップクラス。時に余りにも融合してしまい、作曲されているんじゃないかと思わせる。『Chiaroscuro』はそのグループでTp及びElectronicsを担当しているArve Henriksenのソロという事で、期待値は高い。サンプラーを操るJan Bangと、ドラムを担当するAudun Kleiveが含まれたこのソロは、Supersilentで時折聴けるアンビエントをコンピしたような内容。SupersilentのCDを聴いている時、そのクレジットを確認していなかったので気付かなかったのだけど、このソロにも登場する中性的な歌声はArve Henriksenの声だった。その声とトランペットの重なりは如何にもヨーロッパ的な色彩の薄い音で、教会音楽(もちろん白人的な方)を聴いている気分にさせる。尺八を意識した音が入っていたりするけど、その音色はこの音楽に違和感無く溶け込んでいる。




Nils Petter MolvaerBugge Wesseltoftがクラブ音楽やエレクトロニクスを意識して、そこから得たものを音楽に反映させる事によって多くのリスナーの支持を得た。それによってノルウェーのジャズの知名度は上がった。そのノルウェーの新世代と言われるArve Henriksenの音は、そこからの影響を感じさせるけれど、それをもう一度自分の個性に合わせた形で再構築させている。