大友良英

浜田真理子の歌をコンサートで聴いた事によって、その歌詞がオレにとって抵抗感を感じるようなものであったとしても、言葉を率直に伝えようとする歌なら、音楽として捉えることは難しいことじゃ無いという事を感じた。なので改めて浜田真理子の2ndあたりを購入してみようかと思ったけど、あの場で聴くのと録音物を聴くのは少し違う可能性も考えていたので、彼女のCDは保留にして、大友良英の『カナリア』を購入してみた。



カナリア』は同名映画のサントラ盤で、この中に何曲か浜田真理子が歌っている曲がある。曲数が少なければ、やばくても何とかなるだろうという単純な考えでの購入。オープニングの後のタイトル曲「カナリア」は、コンサートでも歌われた曲で、ポツリポツリと言葉を置いていくように歌う。小学生の音楽の授業で歌ってもおかしくないような曲。シンプルな構造の曲だけど、こういう曲は強いという事を認識する。インストを2曲はさんで、浜田真理子歌唱の「銀色の道」(誰かのカバー)。この曲もシンプルな曲で、歌の遠くから聴こえるソプラノ・サックスの音が、何かの情景を浮かび上がらせる。またインスト2曲をはさんで、「銀色の道」のジャズ・ヴァージョン。今度はカッコいい演奏で、水谷浩章のWベース、Alfred Harthと津上研太のサックスの咆哮も聴ける。浜田真理子自身のピアノも、シンプルながらも雰囲気のある音。またまたインストを2曲はさんで、浜田真理子作詞作曲の「Beyond」。使われている単語の少ない歌で、伴奏は浜田真理子自身のピアノ。中盤のブレイクと最後のバースでAlfred Harthがサックス・ソロを吹くのだけど、ここではメロディーから派生したソロを聴かせ、この曲のメロディーをより引き立たせている。次の「銀色の道」は、オリジナル・サウンドトラック・ヴァージョン。浜田真理子がソロで歌い始め、自らのコーラスを重ねる。そして徐々に楽器の音と合唱団のコーラスが重なってきて、最後は力強い歌に変わる。その後アルバムは、「カナリア」のインストとここまでの流れに合わないボーナストラックのような曲で終わる。全体的に如何にもサントラという印象はあるけれど、なかなか面白いんじゃないかと思う。これを聴き込んだら浜田真理子の2ndを聴いてみる。予定。多分来年。