加藤秀樹

加藤英樹(ベース)をリーダーとして、大友良英(ギター)、植村昌弘(ドラム)の三人による新作が『Green Zone』。アルバム・タイトルがユニット名になる。この三人は大友良英がリーダーだったユニット、Ground-Zeroでも共演していたけど、リーダーが異なる為、小編成のGround-Zeroにはならない。

アルバム名かつユニット名のGreen Zoneは、「バグダッドの米軍管理区域の名称」という事らしく、このことからも想像できるようにこのアルバムの音はかなり重い。アルバムに収められている各曲は、それぞれの曲のタイトルが示すように政治的な意味合いの強いもので、音の性格は異なるけれど、個人的にはPantaの『マラッカ』を思い起こさせる。




『マラッカ』は言葉による告発で、この『Green Zone』は音による表現だけど、誤解を生みようの無い音が詰まっている。ヘヴィーなリズム隊とフリーキーでは無い大友良英のギターの音は、飛翔を目指さず地の底を蠢く様な、そんな景色を思い浮かばせる。